その選択、本当にエコ？
～ライフサイクルアセスメントで自分の行動を見直そう～
-「第27回エコ×エネ・カフェ」（前編）

各界の第一人者をゲストに招き、「エコロジー」と「エネルギー」について気楽にフラットに学び合うエコ×エネ・カフェが、2018年2月13日(火)に開催されました。27回目の開催となる今回のテーマは「ライフサイクルアセスメント（LCA）」です。私たちが生活の中で心がけている”エコ”な行動は、果たして本当にエコなのでしょうか。国立研究開発法人 産業技術総合研究所 安全科学研究部門 IDEAラボ ラボ長の田原聖隆さんをゲストとしてお招きし、わかりやすく解説していただきました。

• 1ページ目：ゲスト紹介


• 2ページ目：LCA（ライフサイクルアセスメント）とは


• 3ページ目：ライフサイクル全体で考える「エコ」


• 4ページ目：カーボンフットプリントの計算に活用されるLCA


• 5ページ目：LCAを意識して行動を見直そう


• 6ページ目：トータルで捉え、インパクトを意識する


• 7ページ目：トータルな視点から選択し、行動しよう

田原 聖隆(たはら きよたか)氏
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 安全科学研究部門 IDEAラボ ラボ長

エコロジーとエネルギーの両立する社会を目指して

開催にあたり、まずは主催のJ-POWER（電源開発株式会社）の藤木専任部長よりご挨拶をいただきました。

藤木 勇光（ふじき ゆうこう）
J-POWER（電源開発株式会社）秘書広報部 専任部長

藤木さん（以下、藤木）：J-POWER（電源開発株式会社）は、戦後復興と経済成長で急速に増えた電力需要に応えるために、国策企業として1952年に設立、2004年に民営化しました。全国に発電所を持ち、日本で消費される電力の約6％を発電しています。1998年に策定した企業理念「エネルギーと環境の共生」の実現を目指して、2009年から「エコ×エネ体験プロジェクト」を社会貢献事業として展開しています。来年度で10年目を迎える「エコ×エネ・カフェ」は社会人と学生がフラットに話し合う「身近なつながりの場」という位置付けで開催しています。今回のテーマは「ライフサイクルアセスメント（LCA）」です。私たちが生活の中で正しいと思っている選択や行動は、本当にエコなのでしょうか？私たちの暮らしに欠かすことのできないエコとエネ、双方のバランスがとれた社会のつくり方を、皆さんと一緒に考えていけたらと思います。

ファシリテーターのBe Nature School 森さん

森さん（以下、森）：まず自己紹介をお願いします。

田原さん（以下、田原）：ライフサイクルアセスメント（LCA）、環境効率、技術評価を専門にしています。実は、趣味がきっかけでこの道に進みました。ダイビングで小笠原に通っていたら、年々魚が減っていることが気になって「自分たちの行動が環境にどう影響しているのか」と考えたことが、LCAの研究を始めることにつながったのです。