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第18回 「手づくりの持続可能な暮らし方教えます」加藤 大吾 氏

  • 2015年3月12日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ
自然の循環の中に、自分もいる

森:土地を開墾してから、どれくらいかかりましたか。

加藤:ここまでするには5-6年かかりましたね。自然のエネルギーってうまく読めないんですよね。風がどう流れるかとかを把握するのにもいろいろと苦戦して、マイナーチェンジを繰り返して、ここまできました。

森:そこまでやれるのは、どうしてですか?

加藤:僕にとって、幸せを感じる瞬間って、こういう瞬間なんですよね。

ヒツジとニワトリと子ども
ヒツジとニワトリと子ども
エコエネ会場

加藤:ヒツジと人間とが戯れていて、その間に、ヒヨコやニワトリがひょこっと入り込んできて。ニワトリは、ヒツジに寄ってくる虫を食べたいんですね。ヒツジもそれをとってもらいたい。お互いが欲して、反芻し合っている。それを隣で見ている娘が、藁の世話をしたりしているのを見ると、ああ、なんて幸せなんだろうなって。ため息みたいのが、湧いてくるんですよ。生態系の中に、自分が存在している。それぞれが自然に、それぞれの役割を果たして生きている。そういうのをみると、もう、たまらんのですよ。僕は、生態系に組み込まれて生きるということにずっとチャレンジしてきたんです。それで、ああ、近づいてきているって、少しずつ思えるようになったのが嬉しいんですね。

藁やヒツジ
藁やヒツジ
藁やヒツジ

加藤:ヒツジは、大豆を収穫した後の鞘の部分や、米を収穫したあとの藁(わら)といった、僕らが食べられないものを食べて、それを変換して、僕らに毛だとか、いつか肉も提供してくれる。なんて我々に貢献してくれる。お米も、麦も、僕らはいいところしか食べない。ちょっと黒い斑点がついていたりするのを、ニワトリやヒツジにあげると、彼らが食べて、変換して別のものにして僕らに戻してくれる。そういう循環があるから、僕らが食べていられる。ヒツジのうんちが発酵して、藁と混ざって、バクテリアが食べて、肥料になる。そのサイクルが何千年も続いているんだなあって、感じるんですね。

森:それが、この図ですね。

地球の仕組みを活かした自給
地球の仕組みを活かした自給
エコエネ会場

加藤:地球のしくみを活かした生き方なんですね。僕らが育てたもので、人間が食べないものを、家畜が食べて、ふんをする。それをバクテリアが食べて、肥料になって。僕らに卵や毛をくれて。時々、お肉もくれる。そのぐるぐる回るのを、僕らがちょっと手助けしてあげる。そういうモデルができてきた感じです。

森:自分が育ててきた生きもののお肉を食べる気持ちは?

加藤:ヒツジはまだ食べていないですが、ニワトリの時は、最初は結構神妙な気持ちになりましたね。時々、解体イベントをするんですが、普段ニワトリを世話している娘に「どれを食べていい?」って聞くと「あれと、あれと」という風に教えてくれて。「どうして?」って聞くと「性格が悪いとか、最近卵を産まなくなった」とか。チェックしているんですね。ニワトリを絞める前には、どんな餌を与えているとか、人とニワトリがどんな関係かとか、どんなニワトリとか。そんな話をさせるんです。
みなさん、それを聞くと最初は神妙になるけれど、解体して、肉になったら「うわあ、早く食べたい!」ってなるんですよね。

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