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「建設リサイクル法」 詳細解説

読み:
けんせつりさいくるほう
英名:
Construction Waste Recycling Law

環境省国土交通省の調査によると、全国の建設工事で排出される廃棄物(建設廃棄物)の量は、2000年度の年間で8500万tに達し、産業廃棄物全体の排出量の約2割、最終処分量の約3割を占めていた。しかも産業廃棄物の最終処分場は年々確保しづらくなり、残余年数は全国で3.9年分しかない。こうした状況のため、建設廃棄物の発生抑制とリサイクルの促進は今に至るまでが急務となっている。

そこで2000年に制定されたのが、建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)である。この法律は、一定規模以上の建築物の解体・新築工事を請け負う事業者に、建設廃棄物の分別・リサイクルなどを義務づけている。2002年に完全施行された。また、特定建設資材(コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリート)について、その分別解体や特定建設資材廃棄物(特定建設資材が廃棄物となったもの、コンクリート塊、建設発生木材、アスファルト・コンクリート塊)の再資源化などを促進するための措置を講じること、発注者・受注者間の契約手続き、解体工事業者については登録制度を実施することなどを定めている。特定建設資材の指定制度は、それらが建設廃棄物の83%を占め、リサイクルによる廃棄物減量効果が高いこと、リサイクル手法が確立しておりリサイクルの義務づけで事業者が過度な費用負担を強いられないこと、などを理由として定められた。将来的には、石こうボードや塩化ビニール管などを指定することが検討されている。

国は、建設工事に関わる資材の有効利用や廃棄物の適正な処理を図るため、「建設リサイクル法に基づく基本方針」を2001年に定め、建設リサイクルの推進に向けた基本的考え方、目標、具体的施策を内容とする「建設リサイクル推進計画2002」を策定。建設資材のリサイクル率の目標などを明らかにしている。これによると、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材などの特定建設資材廃棄物のリサイクル率の目標を2010年度に95%に設定し、国の直轄工事では2005年度までに最終処分量ゼロを目指している。

こうした施策の実施を受けて発生抑制が進み、国土交通省の調査によると、2005年度の建設廃棄物の排出量は約7700万t、建設発生土の排出量は約1億9518万㎥で、2000年度と比較して建設廃棄物で約7%、建設発生土で約20%減少している。また、建設廃棄物の再資源化等も92.2%に上昇しているという。このようにわが国の循環型社会の形成にあたって、建設廃棄物のリサイクルが果たす役割は大きい。一方、最近の環境省の調査によると、2005年度に不法投棄された産業廃棄物の種類を件数で見ると、建設廃棄物が全体の約7割を占めている。不法投棄については、新規発覚の件数や投棄量は減少傾向にあるものの、残存件数や残存量は横ばい状況にある。今後、一層の対策が必要だ。

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