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「生活環境項目」 詳細解説

読み:
せいかつかんきょうこうもく
英名:
Living Environment Items

河川や海、湖沼などの公共用水域における水質を保全するため、環境省環境基本法に基づき告示で環境基準を定めている。同告示では、生活環境の保全に関する最も基本的な「生活環境項目」と、人の健康の保護に関する「健康項目」について、項目ごとに基準値を定めている。生活環境項目には、次の10種類がある。1) 水素イオン濃度(pH)、2) 生物化学的酸素要求量(BOD)、3) 化学的酸素要求量(COD)、4) 浮遊物質量(SS)、5) 溶存酸素量(DO)、6) 大腸菌群数、7) n-ヘキサン抽出物質、8) 全窒素、9) 全リン、10) 全亜鉛。

生活環境項目に関する環境基準は河川、湖沼、海域の3水域に分けて設定されており、環境大臣または都道府県知事が、上水用や農業用水、工業用水などの利用目的に応じてA〜Eなどのランクにより指定する。たとえば河川の場合、「AA」の水道1級と「C」の水産3級の基準値を比べると、pHはいずれの類型も「6.5以上8.5以下」で同じだが、BODやSS、DOでは大きく違う。このような仕組みを採用しているため、健康項目の基準が全国一律で適用されるのに対して、生活環境項目は水域ごとに異なる基準値が当てはめられている。

生活環境項目は当初7項目だったが、1982年に全窒素と全リンが追加された。また、環境省が化学物質による魚介類などへの毒性や、公共用水域における検出状況などをもとに検討した結果、全亜鉛が水環境を汚染して水生生物の生息や生育に支障を及ぼすおそれがあることがわかった。このため2003年、全亜鉛が生活環境項目に追加された(水生生物保全水質環境基準)。この改正の時には、クロロホルム、フェノール、ホルムアルデヒドの3物質が要監視項目とされている。

環境省が2009年11月に公表した2008年度の公共用水域水質測定結果によると、BODとCODに関する環境基準の達成状況は、公共用水域全体で87.4%となっており年々上昇している。また、全亜鉛はいずれの水域でも9割を超えている。しかし、全窒素と全リンは同じく50%と低い水準で推移しており、対策が急がれる。

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