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「一酸化炭素」 詳細解説

読み:
いっさんかたんそ
英名:
Carbon Monoxide

炭素を含む物質や木炭や石油などの燃料が燃焼すると、通常は炭素と空気中の酸素が結びついて二酸化炭素(CO2)が発生する。しかし、酸素が不足している状態で不完全燃焼を起こすとCO2ではなく一酸化炭素(化学式:CO)が発生する。COは空気とほぼ同じ重さの無味無臭、無色、無刺激の気体で、水に溶けにくい性質をもつ。火を点けると青い炎を出して燃え、CO2になる。COは石油ストーブや都市ガスを使う一部の機器、炭火、火災などに伴って発生するほか、自動車の排気ガスにも含まれている。また、工業材料としては還元剤や、メチルアルコール、ホルマリンなどの合成原料などに用いられる。

問題は、COが人間の五感では察知できないにもかかわらず非常に強い毒性をもっている点だ。COには赤血球のヘモグロビンと強く結びつく性質があり、その結合力は酸素の200倍以上に及ぶ。このため、COがあるとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下して体内が酸素不足の状態になる。これが「一酸化炭素中毒」だ。とくに、窓や扉を閉めた状態のままで木炭などを燃やすと、CO濃度は短時間で致死濃度に近い約1500ppmに至るとされている。ガス機器の不完全燃焼や練炭こたつ、豆炭などによる一酸化炭素中毒の事故は各地で報告されている。また、COはたばこの煙にも約3%含まれており、動脈硬化を引き起こす原因になると指摘されている。

国は、COに関する大気環境基準を、「1時間値の1日平均値が10ppm以下で、かつ1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること」と定めている。大気環境中のCO濃度については、環境省が78の一般環境大気測定局(一般局)と291の自動車排出ガス測定局(自排局)で測定を行っている。2007年度の環境基準達成率は一般局、自排局とも100%で、全ての測定局で達成している。年平均値は一般局が0.4ppm、自排局が0.5ppmで、近年は自排局でゆるやかな改善傾向が見られ、一般局ではほぼ横ばいの状況だ。また、COはCO2と違って温室効果ガスではないが、他の温室効果ガスの濃度に影響を与える性質をもつことがわかっている。

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