自動車の走行によって発生する「自動車排出ガス」の略称。排ガスともいう。大気汚染防止法は施行令により、次の5種類の物質を含む排出ガスを規制している。1) 一酸化炭素(CO)、2) 炭化水素(HC)、3) 鉛化合物、4) 窒素酸化物(NOX)、5) 粒子状物質(PM)。排出ガスは大気汚染を引き起こす原因となるため、一台ごとの自動車について排出ガス量の許容限度が同法で定められている。道路運送車両法の保安基準に適合して「車検証」が交付された自動車なら、その基準値を満足していることになる。
また、国は排出ガスに含まれる有害物質の排気を規制する排出ガス基準を策定している。2008年3月には、新車のトラック、バス、乗用車から排出されるNOXとPMを含むガスを規制する、世界最高水準の厳しさを誇る「ポスト新長期規制」が制定された。新車のディーゼル車に対しては2009年10月から強制適用され、その他の車種についても2010年10月までに順次適用される。さらに、排出ガスの少ないエコカーに関する研究開発も進められている。エンジンからの排気中の有害成分を除去する有効な装置として、触媒などによる浄化装置がある。