A: 脱炭素とは、地球温暖化の原因となるCO2の排出をなくしていくため、太陽光などの再生可能エネルギーを利用するなどして、石油や石炭などの化石燃料から脱却することだ。そのようにして社会全体を低炭素化していった結果、持続可能な脱炭素社会がもたらされる。しかし、わが国における2006年度の温室効果ガス排出量は、CO2に換算して約13億4000万tにも上り、京都議定書の基準年(1990年)の総排出量を約6.2%も上回っている。こうした厳しい状況のもとで脱炭素社会を実現するためには、水力や太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーを利用することが必要だ。また、環境NGO/NPOや研究者からは、排出量取引制度と環境税などの経済的手法を組み合わせた政策を導入すべきであるという声が上がっている。
A: 地球温暖化の原因となるCO2を排出しない太陽光などの再生可能エネルギーを利用するなどして、石油や石炭などの化石燃料から脱却することが脱炭素だ。そのための技術として注目されているのがヒートポンプ。温度の低い熱源から熱を吸収して、ほかのものを温めるのに使う装置だ。大気や工業用水などまわりの熱を取り込んでから別の場所に移して放出することで、低温の熱エネルギーを高効率で利用することができる。ヒートポンプのなかでも、家庭用、業務用ともに導入が進んでいるのがエコキュートだ。従来の燃焼式給湯器に比べてCO2の排出量を約半分に減らし、一次エネルギー使用量や光熱費も大幅に減らすことに成功した。エコキュートなどのヒートポンプはCO2をまったく排出しないわけではなく、脱炭素技術とは言えないかもしれない。しかし、CO2の排出をおさえる低炭素社会の先に脱炭素社会があると考えれば、ヒートポンプのように低炭素化を達成した技術を、脱炭素化を目指す技術と位置づけてもさしつかえないだろう。