液体・気体・固体など異なる2物質の界面(表面)に働いて、境界面の性質を変える物質のこと。界面活性剤は分子構造上、その分子の中に水になじむ「親水性」の部分と、油になじむ「親油性」の2つの性質をもつ。このため、水と油のように、本来は混ざりにくい物同士を混ざりやすくする能力をもつ。主な性質として、表面(界面)張力の低下作用、浸透・湿潤作用、乳化作用、分散作用、再汚染(再付着)防止効果、起泡作用などがある。これらの性質によってある種の界面活性剤は洗浄作用をもつため、洗剤の主成分として用いられている。
このほかにも、乳化剤、分散剤、消泡剤、消毒剤、帯電防止剤など多分野で利用されている。その一方で、環境や人体など生物への影響などのリスクがあることも指摘されている。このため、合成洗剤の主成分などに用いられる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のように、PRTR(化学物質排出移動量届出制度)の第一種指定化学物質や、化審法(化学物質審査規制法)の優先評価化学物質に指定されている物質もある。LASは、環境基本法に基づく、水生生物の保全に係る環境基準の項目としても規制されている。