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「中間貯蔵施設」 詳細解説

読み:
ちゅうかんちょぞうしせつ
英名:
Interim Storage Facility

2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所事故により放射性物質で汚染された廃棄物の処理や土壌などの除染は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国の責任で行われることになっている。しかし、福島県では、除染で取り除いた土や放射性物質で汚染された廃棄物が大量に発生し、最終処分のめどは立っていない。このため政府は、県内で発生した放射性廃棄物や除染で取り除いた土などを最終処分するまでの間、安全に管理・保管する中間貯蔵施設を、県内に建設する計画を進めている。

中間貯蔵施設にもち込まれるのは、県内での除染に伴って発生した土壌、草木、落葉・枝、側溝の泥などだ。それら以外の廃棄物については、1kg当たり放射能濃度が10万ベクレルを超えるものを想定している。環境省の公表情報によると、中間貯蔵施設の規模は容量にして約1500万から2800万立方mになる見込みだ。これは、最大で東京ドームの約23倍分に当たる。また、敷地面積は最大で約5平方kmに及ぶ。

施設での処理の流れは、まず、受入・分別施設で重量計算や放射性測定を行い、放射性物質の濃度や可燃・不燃の別に応じて分別する。次に、貯蔵施設で土壌や廃棄物を貯蔵し、飛散や地下水汚染の防止措置を施す。そして、減容化施設において除染で発生した草木や汚泥などを焼却したり、ふるいわけなどの減容化を行ったりする。このほかに、空間放射線や地下水のモニタリング施設、研究開発や評価などを行う施設、情報公開センターなどが併設される予定だ。

中間貯蔵施設を福島県内のどこに建設するかについて、国、県、地元市町村の間で話し合いが進められている。国は、楢葉・双葉・大熊の3町を候補地として示したが、地元自治体の反発もあり協議は難航した。政府は、閣議決定した福島復興再生基本方針の中で、中間貯蔵開始から30年以内に県外で最終処分するとしているが、地元住民の間には、そのまま最終処分場になるのではないかという懸念が根強くある。

県は2014年2月に、双葉・大熊の2町に施設を集約する案を双葉郡8町村に示して同意を得て、国に政府案の見直しを要請した。国のロードマップによると、用地取得などが進み次第、着工に取りかかり、早ければ2015年1月にも、完成した部分から順次搬入を開始する予定だ。

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