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レトロかわいい山陰の城下町・津和野をめぐる日帰りトリップ

  • 2022年7月28日
  • ことりっぷ


島根県西部の山あいに広がる城下町、津和野。白壁が彩る風情ある町並みは、「山陰の小京都」とも呼ばれ、JR津和野駅から徒歩圏内に美術館や教会、神社など、絵になる見どころがあちらこちらに点在しています。レトロかわいい津和野をめぐる、日帰りトリップへと出かけてみませんか。
津和野城下を見渡す高台に鎮座する「太皷谷稲成神社」は、1773(安永2)年に津和野藩主が京都の伏見稲荷神社から勧請した神社です。「稲成」を社号にするのは全国の稲荷神社でも珍しく、願望成就の思いを込めたからといわれています。今では開運にご利益がある山陰屈指のパワースポットとしても知られ、多くの人が参拝に訪れています。
本堂へと続く参道には約1000本の鳥居がトンネルのように連なり、なんともフォトジェニック。鳥居の間から見える津和野の町並みにひと息つきながらたどり着いた境内には、4つの社殿があり、「元宮」「命婦社」「本殿」「新殿裏奉拝所」の順で参拝する「四ヶ所参り」が古くからの習わし。ぜひ正しい方法で参拝し、ご利益を授かってくださいね。
そんな和の情緒漂う通りでひときわ存在感を放つのが、1931(昭和6)年にドイツ人のシェーファ司祭によって建てられた重厚なゴシック建築の「津和野カトリック教会」です。内部には畳が敷いてあり、壁にはステンドグラスがあしらわれています。教会は内観・外観ともに見学自由。殿町通りを訪れたら、ぜひ立ち寄りたい場所です。
殿町通りの散策を楽しんだら、隣接して続く本町通りへ。ここは、白壁の土蔵に連子格子、ベンガラ色の石州瓦をのせた町並みが続く商家の町。風情ある建物を生かした和菓子店や飲食店などが点在し、散策途中の寄り道が楽しめる通りです。今回紹介する和雑貨の店「分銅屋 七右衛門」もそのひとつ。かつて津和野藩の御用商人だった由緒ある商家で、築165年以上の登録有形文化財の建物が風格と歴史を漂わせています。
和紙や古布、水引といった和の素材を使い、香袋や髪留め、便箋、ブローチ、ピアスなど種類豊富な和雑貨が店内に並んでいます。その多くが、昔の習わしや伝統を大切に当主・椿さんの長女が一つひとつ手作りした一点もの。どれも愛らしく、温かみのある和雑貨は、自分用のおみやげにぴったりです。
また、店の奥には中庭を望む座敷があり、代々伝わる茶道具で煎茶体験を楽しむことも。椿さんが話す津和野の歴史や文化に耳を傾けながら、特別な時間を味わうことができますよ。
昼食を食べるなら、津和野で古くから愛される「うずめ飯」はいかがでしょう。「ご飯の下に具材をうずめる」ことから名付けられた郷土料理です。一見すると、お茶漬けのように思えますが、ご飯の下には小さく刻んだ豆腐やカマボコ、にんじん、しいたけなどの具材がたっぷり。すまし汁と素朴な具材が織り成すやさしい味わいが魅力で、お茶漬けのようによくかき混ぜて味わうのが津和野流。
ほかにも「郷土料理 遊亀」では、塩漬けしたツワブキを千切りして甘辛く炊いたものをご飯に混ぜる「ふき飯」、ヤマメの塩焼、コンニャク刺身など、里山の恵みがたくさん。店内に鯉が泳ぐユニークな空間で、ゆっくりどうぞ。
JR津和野駅からすぐの場所に建つ「津和野町立安野光雅美術館」は、郷土出身の絵本作家であり画家である安野光雅の作品を紹介する美術館。「国際アンデルセン賞」など数々の賞に輝いた、空想と想像に満ちた安野ワールドに触れることができます。美術館は本館(展示棟)と別館(学習棟)で構成され、本館では絵本や装丁の原画のほか、国内外を旅して描いた風景画など約120点を展示。どこか懐かしくかわいらしい淡い色調の水彩画が、訪れる人をやさしく迎えてくれます。
別館(展示棟)には、安野さんが子ども時代に想像を育んだ小学校の教室を彷彿とさせる「昔の教室」、安野さんのアトリエを再現した展示ブース、絵本などが自由に閲覧できる図書室などがあります。なかでも人気なのが、プラネタリウム(現在、更新工事のため上映休止中)。安野さんの代表作のひとつ「天動説の絵本」で構成されたオリジナルプログラムが上映され、ナレーションも安野さんが担当。またショップの包装紙も安野さんのオリジナル。こちらもぜひチェックくださいね。
JR津和野駅から西に広がる緩やかな丘を進むと、「乙女峠マリア聖堂」へたどり着きます。ここは1951(昭和26)年に建設されたキリスト教聖堂。明治初頭に津和野へ収容された長崎潜伏キリシタンの殉教跡地にあり、8枚のステンドグラスがその迫害の歴史を静かに伝えています。周辺に立つ、小さな聖堂やマリア像、石碑なども併せて見学くださいね。
いかがでしたか。津和野の町並みには「津和野町家ステイ戎町」といった一棟貸しの宿泊施設もあるので、1泊してゆっくり過ごすのもおすすめです。

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