台湾東部・花蓮で発生した地震の被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
CREA編集部では、台湾観光庁の声明や、現地コーディネーターからお話をうかがい、台湾を応援する気持ちを込めて、完売したCREA春号をハンディサイズにムック化した、CREA Due『愛しの台湾』を刊行します。その一部を抜粋し、掲載します。
CREA編集部一同、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
萬華は台北発祥の地であり、かつては「艋舺」と呼ばれいまでも、廟や地名にその名残があります。
地域を盛り上げる活動を行うクリエイター・李 政道さんによれば「台北で最もディープで、エネルギーがある場所」とのこと。
下町の人情を感じながら新旧入り混じる街を歩きませんか。
案内人、李さんの経営する酒場。戦前の建物を再利用した文化施設内にある。隣接の市場から食べ物を持ち込めるほか、おでんなども販売。
「下町の暮らしと食を伝えつつ、地元の人と旅人を繋ぐ場所にしたい」と李さん。
萬華世界下午酒場(ワンファーシージェシャーウージョウチャン)
所在地 台北市萬華區三水街70號(新富町文化市場内)
電話番号 02-2308-1092(新富町文化市場)
営業時間 10:00〜18:00、金・土曜〜23:00
定休日 月曜
Instagram @wanderland.hirunomi
「萬華世界下午酒場」でお皿を借り、隣の「東三水街市場」へ。アーケードの下にはお惣菜やチマキ、おこわ、ナッツ類、伝統菓子などのブースが並ぶ。
気になる食べ物を見つけたら指さしで注文。写真は揚げたての練り物が自慢の「艋舺大豐」。李さんイチオシの店。
茹でたイカやもち米の腸詰、タロイモと挽肉を蒸したものなど、台湾らしいおつまみを並べて乾杯! 気取らない雰囲気もいい感じ。なお、持ち込みは無料。週末のみミニマムチャージ1名800元。
東三水街市場(ドンサンシュエイジェシーチャン)
所在地 台北市萬華區三水街
電話番号 02-2308-1558
営業時間 7:00〜13:00頃(店舗によって異なる)
定休日 月曜
初代は名刹・龍山寺の脇にある「青草巷」(薬草店が並ぶ路地)で開業。2017年に倉庫だった場所を改造し、店の一部をカフェスタイルに。
問診票(日本語あり)をもとに調合した薬草茶220元。
老濟安(ラオヂーアン)
所在地 台北市萬華區西昌街84號
電話番号 0905-880-126
営業時間 9:00〜18:00
定休日 日・月曜
Facebook https://www.facebook.com/HealingHerbar/
自家焙煎コーヒーは浅煎りが中心。写真は花の香りがするエチオピア産コーヒー200元。阿里山産の豆を用いた水出しコーヒーもおすすめ。アールグレイ味のプリン150元はクリームブリュレのような滑らかさ。
妻がつくったパッチワークが飾られ温かな雰囲気の店内。
丸花豆倉(ワンファードウツァン)
所在地 台北市萬華區永福街79號
電話番号 0970-631-952
営業時間 11:00〜18:00、月曜12:00〜
定休日 火曜
Instagram @mongacoffeeroasters
わらび餅に似た涼粉はサツマイモの粉と水を混ぜたもの。小麦粉と砂糖を炒った「麺茶」をまぶしている。
「自分が継がなければ涼粉が消えてしまう」との使命感から店を守る2代目の辜凱鈴さん。以前は屋台で、現在は路面店で販売。
涼粉伯(リャンフェンボー)
所在地 台北市萬華區貴陽街二段202號
電話番号 非公開
営業時間 10:00〜16:00
定休日 月曜
Facebook https://www.facebook.com/sweetpotatojelly
創業55年という牡蠣スープの名店。地元客で賑わう。
産地の嘉義県東石から毎朝宅配される大粒の牡蠣を使用したスープは滋味豊か。
台湾式の素麺を加えた「蚵仔麺線」80元。麺線は一度茹でてから冷やし、注文が入ってから湯通ししているのでコシがある。
西園橋下蚵仔湯(シーユェンチャオシャークーザイタン)
所在地 台北市萬華區西園路一段258之5號
電話番号 02-2302-5974
営業時間 8:00〜18:00(売り切れ次第終了)
定休日 日曜
茶器が並ぶ小さな茶館。阿里山産の蜜香紅茶などを味わえる。
看板メニューはコロリとしたかわいい台湾式おにぎり「飯糰」。
具材は海苔、漬物、揚げパン、野菜のふりかけ、紅茶で煮込んだ卵など。75元。お米は米どころの台東県關山産で、キヌア入り。
從心茶館(ツォンシンチャァン)
所在地 台北市萬華區康定路95號
電話番号 02-2381-9396
営業時間 7:30〜14:00、土・日曜8:00〜
定休日 不定休
●教えてくれたのは……
李 政道(リージェンダオ)さん
クリエイター。下町文化をこよなく愛し、2021年に萬華の人々の暮らしを伝える書籍『萬華世界』を出版。これをきっかけとし、2022年秋に酒場を開業。愛称は「まさみち」。
※表紙と巻頭グラビアに登場したNICHOLASのスペシャルインタビュー、台湾で必ず食べたい小籠包や魯肉飯の名店、メイドイン台湾の美しい日用品などが盛りだくさんの台湾特集はCREA Due『愛しの台湾』でお読みいただけます。
文・コーディネート=片倉真理
写真=榎本麻美
イラスト=小泉由美