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「エコ×エネ体験プロジェクトのこれまでとこれから~withコロナ時代におけるコミュニケーションとわたしたち~」第34回 エコ×エネ・カフェ

  • 2020年10月15日
  • 緑のgoo編集部

エコ×エネ体験プロジェクトのこれまで

森:
今日のテーマは「エコ×エネ体験プロジェクトのこれまでとこれから」です。
参加者のみなさんのエコ×エネ体験プロジェクトの参加体験も聞いてみるので手をあげてください。

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エコ×エネ・カフェに参加したことある方は….結構いらっしゃいますね。エコ×エネ体験ツアーに参加した方も多い。「エネルギー大臣になろう!」のワークショップに参加された方は少し少ないですね。

では、ゲストのおふたりに質問です。エコ×エネ体験プロジェクトのこれまでを振り返って、印象的だったことは何ですか?紙に書いてお知らせください。

増田:
僕は「初めての…」と書きました。
エコ×エネ体験ツアーでは新潟県と福島県にまたがる奥只見にある水力発電所での「水力編」を担当していますが、初めて訪れた時、4月でもすごく雪が積もっていたんですね。雪の深さを示すポールを見ると6m とあったので、本当にここまで積もるんだと思ったのが印象的でした。 エコ×エネ体験プロジェクトには一番初めから関わらせていただいていたのですが、初めての懇親会で、用意したお酒があっという間になくなったのも印象的でした(笑)。

古田:
私は、エコ×エネ体験ツアーでは神奈川県の磯子にある火力発電所での「エコ×エネ体験ツアー火力編」と「エネルギー大臣になろう!」というワークショップを担当しています。
エコ×エネ体験ツアー火力編では、一般見学の方は入れない発電所のディープな所までご案内するのですが、とても広いし、ボイラーなど大きな機器があったりします。温度や音も独特で、場所の雰囲気やスケールが普段の生活感覚と全く違うんです。
はじめて入ったとき、緊張感のある場所だということが印象的でしたし、何回行ってもそれは変わりません。ツアーでは薄暗い中グループを先導するのですが、あるとき「一人姿が見えない!」ということがあって背中に冷や汗がたらーっと流れました。いなくなったわけではなくて、ほかのスタッフがついたうえでの取材対応をしていたのだとわかったのですが、ほんの一瞬のことでしたがすごく焦りました。大変なことが起きてしまった!と。

 エコ×エネ体験ツアー「火力編」の様子
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森:
今回のエコ×エネ・カフェでも(画面上から)既に見失ってしまった方が…(笑) オンラインは退出が簡単ですし落ちやすいですから。その点、実際に現場をご案内するツアーの責任者だと「一人いなくなってしまいました」とは言えないですよね。

増田:
水力発電所を初めて訪れた時も印象的でした。ダムの中の監査廊という暗い通路の中は、暗くなるとまさに一寸先は闇という感じです。ダムの中のひんやりした空気とか、皮膚感覚や五感を使って感じることはオンラインでは伝わりにくいですね。

 エコ×エネ体験ツアー「水力編」の様子
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エコ×エネ体験プロジェクトでできたこと、できなかったこと

森:
では、ご自身が体験されたこれまでのエコ×エネ体験プロジェクトで「これはある程度満足できたな」という事と「やりたいと思っているけれどもまだできてない、これからだな」と思うことをお聞きしたいと思います。

古田:
できたのは「火力の科学と社会」、できていないのは「その先へ、その奥へ」というキーワードです。
私が担当している石炭火力発電所のツアーは、火力発電所の仕組みや石炭のことを扱いますが、それを知って終わりではありません。それを取り囲む社会や世界、将来のことをどうやって考えていくのか、一人ひとりの中に落とし込めるように情報提供やワークをしてきました。発電所の現場で働いている方々と交流しながら学び、考えを深めて視野を広げることができたと感じています。
2泊3日の濃密な時間を過ごすのですが、せっかくここまで来たのだから、その先、その奥の話へ踏み込みたくなりますね。参加者と一緒に成長するツアーなので「本当の本当はどうなのか、自分たちはどうすべきか」などを突き詰めるところまで行ってみたいです。

森:
2泊3日が短すぎて助走で終わってしまうということですか?もっと長い日程が必要なのでしょうか?

古田:
2泊3日のツアーは、最初からトップスピードで走り抜くという感じなので、ツアーの日程が長ければ良いというわけではないんです。ただ、大学なら、半年なり1年なりじっくり付き合えますが、ツアーは終わった後のことは本人次第ですよね。ツアーでの体験を咀嚼したり新たに学んだりした後に、一緒に次のステップに進めたらまた新たな学びが生まれそうだなと思うと少し歯がゆい感じもします。

増田:
できたことは「エネルギーEEP」。EEPとは Environmental Education Program(環境教育プログラム)の略です。
僕はずっと体験型環境教育をやってきましたが、エネルギー専門のプログラムはエコ×エネ体験プロジェクトが初めてでした。始まってから13年が経ちましたが、皆さんに楽しんでいただけるプログラムになっていると思ってます。
できなかったことは「ありません!」…と言いたいところですが、「地域化」と書きました。
環境教育やESD(Education for Sustainable Development、持続可能な開発のための教育)や SDGs のキーワードは「地域化」、地域に落とし込むということです。究極の地域化は家の中で暮らしに落とし込むということだと思っているので、「体験ツアー」として外に出て行っていたものを生活の中に落とし込むという挑戦をしていきたいです。

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森:
具体的なアクションとしてはどういうイメージでしょうか?

増田:
「自分ごと化する」ということです。
日本にはエネルギーや資源が乏しく、海外に頼っています。
また、限りあるエネルギー等をどのように未来につないでいくかも課題です。課題を可決するためには、空間的視野・時間的視野を広げていくことが必要です。
一方で、環境教育では暮らしの中での実践も大切にしています。「自分の暮らしだったら」「自分の地域でエコとエネを考えるなら」と、 遠い世界や先の未来のことを自分に引き込むことをもっとやっていきたいです。

森:
「エネルギー」というと、スケール感が大きすぎて身近に感じにくい部分がありますよね。その部分は従来の体験型環境教育とはちょっと違いますね 。

増田:
身近な自然は家に咲いている小さな花を見て感じることもできますが、エネルギーは単位がすごく大きくて感じにくいですよね。もちろん今使っているパソコンにもエネルギーが使われていますが、エネルギー自体は目に見えません。それをどう感じさせるか、とても大きなことに向き合っていると感じます。

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