和歌山といえばパンダ! という方も多かったのでは?
和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」は4月24日、飼育している良浜(ラウヒン)、結浜(ユイヒン)、彩浜(サイヒン)、楓浜(フウヒン)の4頭のジャイアントパンダを、すべて中国に送り出すと発表しました。(返却は2025年6月末を予定)
4頭はいずれも雌。雄が不在だったため繁殖も難しかったようです。これから新たに来日がなければ、日本国内で飼育されるジャイアントパンダは上野動物園の2頭だけになってしまいます。
そもそもパンダは、ワシントン条約 附属書Iの動物(超・絶滅危惧)であり、原則として国際取引は禁止されているんです。
例外として、中国政府が「外交の一環」として貸し出すのはOKという特殊ルールがあって、日本にいるパンダはこのルールにのっとり、すべて中国からのレンタル。パンダの所有権は基本的に中国にあり、日本の動物園は高いレンタル料を毎年中国に払ってるんですね…。(話によると東京都が中国側に支払う上野動物園のパンダの「レンタル料」は年間約95万ドル(約1億800万円)だそうですよ)
今年の1月に福岡のマリンワールドで雄のラッコ「リロ」が亡くなってしまい、現在は三重県の鳥羽水族館にメスが2頭いるのみ。
元々ラッコ自体は「ワシントン条約」後も輸出国が認めれば輸出できる動物だったそうですが、最近ではアメリカ自体が環境保護に敏感になり、さらに2000年には「近い将来、絶滅の危険性が極めて高い」ということでラッコが絶滅危惧種(レッドリスト)に指定され、基本的にこれから日本にラッコが輸入されることはないのだとか。
また、国内での繁殖も難しく、エサ代もえぐい(30kgのラッコだと約6〜9kgものイカ、カニ、ホタテなど)ので、飼育が難しいそうです。
一方、北海道の沿岸部では野生のラッコが目撃されることもあるそう。いつか見に行ってみたいですね。
2. シロイルカ(ベルーガ) Image: shutterstockシロイルカ(ロシア語:ベルーガ)もワシントン条約 附属書IIの対象、かつ国際的な流れで日本での展示が減ってきているのだとか。
現在日本で見ることができるのは下記の4館のみ:
鴨川シーワールド(千葉) 八景島シーパラダイス(神奈川) 島根県立しまね海洋館アクアス(島根) 名古屋港水族館(島根)日本がこれまで輸入に頼ってきたロシアが、2018年頃から「野生個体の輸出はやめる」という方針に。さらにはウクライナ情勢も加わり、国際的な取引はストップ。
国内での人工哺育の事例も一桁程度と少なく飼育コストも高いため、これから飼育は減少する見込み。長期的にはゼロの見込みもあるんだとか。今のうちにいっぱい見ておきましょう!
3. オカピ Image: Shutterstockシマウマの仲間に間違えられがち、オカピ。実はキリン科のオカピ。耳の形や舌を見てみると、非常にキリンらしいんですよ。
野生では広大なジャングルの広がるコンゴ民主共和国のみに生息し、本国にも「オカピ野生生物保護区」が設置されるほど希少な存在。ワシントン条約 附属書IIに属します。
コンゴ民主共和国の政情不安や環境破壊、密猟などにより、野生個体数が減少し、輸入が困難に。国内の個体数も少ないため繁殖は難航しています。
現在、日本でオカピを飼育しているのは以下の2館のみです:
よこはま動物園ズーラシア(神奈川) 横浜市立金沢動物園(神奈川)横浜、つよい!
4. ニシキヘビなどのボア・パイソン系 Image: Shutterstockニシキヘビをはじめとするボア・パイソン系のヘビは、ワシントン条約 附属書IIの対象のため飼育数が激減中。特に大型のビルマニシキヘビやアミメニシキヘビなどは展示数が減っているそう。
ちなみに沖縄の伝統楽器・三線にはビルマニシキヘビ(まれにアミメニシキヘビ)のヘビ皮が使われており、生体だけでなく、製品としての国際的な持ち出しにも注意が必要です。
Source: 日本経済新聞, 毎日新聞, Lama.jp, 東京新聞, 池武当新垣三線店, るるぶKids
こちらもオススメ:【Amazon.co.jp 限定】ギズモード・ジャパンのテック教室(特典:オリジナルステッカー) 1,760円 Amazonで見るPR