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企業はなぜSDGsに取り組むのか ~味の素株式会社の場合~ -第29回エコ×エネ・カフェ 前編-

  • 2018年11月13日
  • 緑のgoo編集部

【目次】
①:ゲスト紹介
②:味の素グループの目指す共通価値の創造 -ASV-
③:バイオサイクルによる資源の有効活用
④:海洋資源の持続可能な利用への貢献
⑤:食と栄養の改善への取り組み
⑥:今後取り組んでいきたいこと

味の素グループの目指す共通価値の創造 -ASV-

森:社会貢献活動についてもお伺いしていいですか?

室:もともと会社の成り立ちが「健康や栄養状況を改善しよう」という志にありますから、創業以来、事業を通じて社会の問題を解決していく考え方が経営の基盤にあります。これを言葉にしたほうがより分かりやすいということで、経営学者マイケル・ポーター氏の提唱するCSV(共通価値の創造)を参考に、味の素なりに捉えた「ASV(Ajinomoto Group Shared Value)」を2014年に提唱しました。そして社会価値、経済価値の重なるところを共通価値と位置付け、社会の課題を解決しながら事業の拡大を目指すということを明確にしました。

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室:具体的には、ベトナムでの学校給食プロジェクト、コプロ(副生物)を活用したバイオサイクル、野菜豊富な献立を提案するラブベジ®プロジェクトなどを展開しています。被災地支援や公益財団やNPO法人の支援、ボランティア活動などといった社会貢献活動も行なっていますが、ASVという事業を通じた活動を主にしているのが特徴です。

室:味の素としてできることを考える際、「健康なこころとからだ」「食資源」「地球持続性」という3つをポイントにして “Eat Well, Live Well”という分かりやすい言葉にして発信しています。

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室: サステナビリティ・データブックにも重要課題として紹介しているのですが、この図にあるように縦軸を社会にとっての重要性、横軸を事業にとっての重要性として、様々な課題を先ほどの3つの種類―「健康」(オレンジ)、「地球の持続可能性」(ブルー)、「食資源」(グリーン)」―毎に色分けしてマッピングしています。

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室:このASVを既につくっていましたので、2015年に国連でSDGsが採択されたのを見て「あ、やっぱり我々の取り組みって正しかったのだな」と再確認できたという気持ちです。ASVをSDGsで整理して、特に事業に関連の深いものを選んだのがこの図です。食と健康に関係する1から3、消費者の対話という意味でも大事な12、そして環境という意味で13から15、そして自分たちだけではなく提携してやっていくことが大事という意味で17に優先を置いています。

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