木村さんからの話題提供を受けて、これからはワールドカフェでの対話の時間です。「問いに意識を集中して、意味を追究する会話、対話(ダイアログ)を楽しんでください」という森さんの言葉を受け、テーブルごとに、与えられた問いについて話し合っていきます。
多様な主体が参加することに魅力を感じたという声がありました。
「まちエネ参加者の紹介を見て、電力の専門家でない普通の人でもできるということに勇気をもらいました」「電力会社とは違う主体から、電力事業が生まれていくという面白さを感じました。着眼点が違うので、これまでになかった可能性もたくさん生まれてきそうですね」「地域金融機関が協賛に入っていることが新鮮だと思いました。事業化を真剣に考えたら、想いを超えて、どうしたら出資してもらえるか、真剣に考えねばという気持ちになりますね」「市民出資というしくみがよいと思いました。自分では発電事業を起こせなくても、自分事として参加していけますよね」
さまざまな地域資源に着目することに可能性を見出したという意見も多くありました。
「島国日本だからこそ、海や沿岸部を使ってできることがもっとありそうですね」「田舎に限らず、都心にも有効活用できる土地はまだまだありそうです。発電ばかりではなく、例えば再エネと空部屋の利用を組み合わせたような事業も考えられないかと思いました」「下北沢の教会の事例に惹かれました。寄付金も集まりやすいかもしれませんし、地域の人たちを結ぶ場として機能するのはよいことだと思います」
つながることの大切さを実感したという声もありました。
「人が出会い、つながりが広がっていく場があることはとてもいいと思いました。仲間がいると、一歩前に進めそうな気がします」「地域で再エネ事業をつくるには、地域の人たちとの信頼関係づくりも大切だなと思いました。自治体が場づくりの推進を担うような動きも進んでいけばいいなと思います」「福島の農家とのコラボレーションによるソーラーシェアリングの事業は素晴らしいですね」「地方を支える一次産業を元気にしたいです。農業ばかりでなく、漁業者とのコラボレーションも考えていけたらいいと思いました」「確かに地方には若い人たちが少ないかもしれませんが、地方には休耕地も多く、挑戦できる場も多そうです。若い人たちだけだと慎重になってしまい動けないかもしれませんので、経験のある人と組めるとよさそうですね」
一人を同じテーブルに残し、メンバーを入れ替えて、2つ目の問いに移ります。
公共施設の活用という観点から意見がでました。
「学校や公民館に再エネに関連するものを設置して、環境教育に役立てることもできます。自分で発電体験ができるマシンを置いてみる、といったことも、エネルギーへの関心を高める上で役立ちそうです」「持続可能な社会をつくるためには、世代間交流が大切です。公民館のような場所が、再エネをテーマに、多世代が交流できる場になるといいと思います」「今の子どもたちの親の世代は再エネへの関心があまり高くないと思うので、公民館や学校を使って地域で子ども向けの再エネイベントを開催し、親に向けたメッセージも伝える、教育プログラムを展開したいです」
着眼点を変えることによって既存施設をエネルギー有効活用の場として活かしたい、という意見がありました。
「都会の銭湯も有効活用できないでしょうか。日本ならではの交友の場でもありますし、発電もできそうな気がします」「サーバーを冷やすのに冷房を多く使うので、寒冷地で氷室を利用するといった事業はどうでしょうか。雇用創出にもつながりそうです」
その他にも「2020年の東京オリンピックに向けて、東京を再エネ都市にしていきたいです」「地方でも再エネイベントをもっと開催して、地域×再エネに関心を持つ人を増やし、地方への移住者を増やすことが考えられそうです」などといった多様な意見が交換されました。