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第17回 「再生可能エネルギー事業で持続可能な地域をつくろう!」木村 麻紀 氏

  • 2014年12月25日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ

下北沢の教会の屋根を使って発電

せたがや市民エネルギー合同会社 浅輪 剛博氏
せたがや市民エネルギー合同会社
浅輪 剛博氏
せたがや市民エネルギー合同会社・浅輪 剛博氏は、まちの中に太陽光発電を設置し、まちづくりにも活かしたいという考えから、世田谷区下北沢の教会の屋根を使って発電事業を展開。資金の75%は市民出資で取り付けた。

広く寄付を募り、出資者のリターンを薄めにする代わりに、浮いたお金を地域のエネルギーシフトのイベントに活用。現在10キロワットほど発電している。

森:教会の屋根を活用するとは、いい目のつけどころですよね。

せたがや市民エネルギー合同会社
せたがや市民エネルギー合同会社
屋根に太陽光パネルを設置し、初めて発電した時の様子。神父さんや地域の皆さんと
喜びを分かち合っている

木村:マルシェを開催するなどして、エネルギーに関心のない方にも参加いただける場をつくっているそうです。

森:前回のエコ×エネ・カフェでは「地域って何?」という話をしたのですが、浅輪さんは東京も地域として見ているのですね。浅輪さんはこの発電事業収入だけで生活されているのですか?

緑のgoo櫻庭:いえ、この発電事業を開始してから多方面からお声がけしていただけるようになり、講演会で話をするなど、様々なところから収入を得て生活されているそうです。

森:なるほど。ある意味「発電で人生を変えた」とも言えそうですね。ベースとして、ある程度市民活動をされていた経験をお持ちなのかもしれないですね。

木村:そうですね。現在、2号機3号機の展開を検討中で、より規模の大きなものにしたいと考えているそうです。

森:そうなると、金融機関とのつながりも大切になりますね。

女性リーダーが宝塚で市民発電

森:こちらは、女性がリーダーになって、市民発電所をつくった事例ですね。

非営利型株式会社宝塚すみれ発電 井上 保子氏
非営利型株式会社 宝塚すみれ発電
井上 保子氏
非営利型株式会社 宝塚すみれ発電の井上 保子氏は、兵庫県宝塚市で2012年7月のFIT導入を後押しに市民出資を募り、2基の市民発電所(太陽光)を開設。市民主体のご当地電力の草分け的存在としてとして全国的にも注目を集めている。

木村:宝塚は、都市と農村両方の要素を持った土地です。エネルギーの世界には女性が少ないのですが、井上さんは長年地域で活動しているバックグラウンドを持ち、再エネへの取り組みの実績もお持ちだったのですが、さらに広げていきたいと、滋賀のスクールに参加してくださいました。「あんなおばさんでもやっている」というハードルの低さを示すことが大切だと、頑張っておいでです。1号機は全額寄付を募りましたが、2号機はそれだけでは足りずに銀行からの融資も受けているとのことです。

非営利型株式会社宝塚すみれ発電
非営利型株式会社宝塚すみれ発電
2012年7月のFIT開始を後押しに2基の市民発電所(太陽光)を開設

森:FITが20年間の買い取りを保証しているということですが、FITの買い取り価格は徐々に下がっていくのですよね。

木村:もともとそういう設定になっていますので、単に買い取ってもらうだけでは、事業化は難しいと思います。ですからまちエネ大学では、単に発電というだけでなく、「再エネ+α」「再エネ×何か」という組み方ができないかという視点からアプローチしていきます。

半農半電 -ソーラーシェアリング-

一般社団法人 えこえね南相馬研究機構 中山 弘氏
一般社団法人えこえね南相馬研究機構
中山 弘氏
一般社団法人えこえね南相馬研究機構 中山 弘氏は、市民発の再エネの取り組みが大事だと、まちエネ大学に参加。震災後支援してきた南相馬で、農地を活用して太陽光発電を行うソーラーシェアリングを展開。南相馬は、放射能被害や風評被害のため農業は厳しい状況にあるが、農業を諦めず、農業をしながら太陽光発電することで生計をたてる、農業を継続しながら太陽光発電で生計を立て、地域の再生や活性化に結びつけたいと事業を進めている。

森:ソーラーシェアリングとは、農地の上に発電装置をつけて、太陽をシェアするということですね。

木村:中山さんは埼玉県内にお住まいの方ですが、お仕事をリタイアされた後に、こういった活動を立ち上げました。

森:「よそ者」として南相馬にはいっているわけですね。

緑のgoo櫻庭:南相馬は風評被害が大きく、地元の農家の方は、「出荷すると他の人に迷惑をかけてしまうのでは」、あるいは「生産しても売れないのでは」という心配を抱えているそうです。中山さんがよそ者としてはいり、ソーラーシェアリングという方法を紹介したことで、農業と太陽光発電の両立により、農業を諦めずにすむ方法を見出させたと、地元の方から感謝されています。

えこえね南相馬研究機構
えこえね南相馬研究機構
更に増設し南相馬をソーラーシェアリングモデル地域化していきたい

森:これは面白い組み合わせですね。

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