森:木村さんは環境やライフスタイルに着目して、記者や編集の仕事をされてきて、本も何冊か執筆されているのですね。
木村:はい。現在は5歳児の子育てをしながら、昨年から「まちエネ大学」の事務局長をしています。
森:まちエネ大学とは、一体どんなものなのですか?
木村:先ず、こちらをご覧ください。まちエネ大学は、経済産業省が再生可能エネルギー推進のために全国展開している「Green Power Project」の一環として、地域に再エネ事業を担う人材を育成することを目指してつくられた教育プログラムです。
まちエネ大学公式ウェブサイト(http://www.greenpower.ws)
まちエネ大学facebook(https://www.facebook.com/greenpowerws)
森:再生可能エネルギーというのは、太陽光、バイオマス、風力、小水力、地熱などによって発電するエネルギーのことですよね。
木村:はい。再生可能エネルギー推進のため、2012年7月からFIT(固定価格買取制度)が導入されました。これを契機に現在全国各地で再エネ事業への参入が進んでいますが、まちエネ大学は、自治体や地域金融機関と連携し、「地域貢献志向の再エネ事業者を育てる」ことを明確に打ち出していることが特徴です。地域金融機関が入ることで、良い事業計画については出資もつくかもしれないという、参加者のモチベーションアップにもつながっています。
森:つまり、本気で事業をやりたいという人を育てていくということですね。
木村:はい。昨年度は全国5ヶ所(東京、北海道、滋賀、和歌山、山陰)で開催し、180名もの人が受講しました。今年は神奈川、宮城、長野、秋田、京都の5ヶ所で開催しています。各回3時間、合計4回という短い授業時間を効果的に活用するために、受講生は映像教材を事前に視聴し、内容について予習していることを前提として講義に臨んでいただく「反転学習」という方式を取り入れています。再エネや事業化支援に詳しい専門家を講師に招き、地域に詳しい方にファシリテーターをお願いして各講座を進行。最後の授業では受講生の方に事業プランをプレゼンテーションいただき、事業化や投資に詳しい方々からコメントやアドバイスをいただきます。昨年度のまちエネ大学からは、31もの事業モデルが誕生しました。中には株式会社を設立して、実際に事業を立ち上げた人たちもいます。