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第16回 「持続可能な地域づくり」増田 直広 氏

  • 2014年11月27日
  • 緑のgoo編集部
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増田:僕は「持続可能な地域づくり」を、「日本や地球を持続可能な社会とすることを視野にいれた地域づくり」だと考えています。自然と人との関係や、人と人との関係を持続していくこと。それには、文化や人、自然といったたくさんの地域資源を活用して、子どもからお年寄りまで、いろいろな人を巻込みながらやっていくのが重要なのです。

森:だから、いろいろなものがあるのですね。

増田:地域づくりといっても、地域だけで解決することばかりではないんですよね。地域でできる範囲があるし、他の地域ともつながって出来ないことを実現していくようなことも必要と思っています。

森:北杜市が今「持続可能な地域」を目指している、ということは、裏を返せば、今の北杜市には持続可能でないところがある、ということですよね。持続可能でない地域とは?北杜市は今、どういった状態なんですか?

増田:何が持続可能か。食糧とかエネルギーとか、いろいろな要素がありますが、多分地域によっても、その感覚は違いますよね。北杜市は今、自然エネルギーに力をいれていますが、まだまだ他にも取り組んでいきたいこともあるでしょう。例えば、そこで生まれ育った人たちが地域を離れてしまう地域は、産業という観点からも持続可能とは言えないかもしれませんね。

森:「持続可能な社会づくり」というと、スケールが大きいことですよね。でも、実際にやっていることは、町歩きのような小さなことだったりして。そのギャップみたいなものを感じることはないですか?

増田:町歩きや自然遊びのようなことでも、その先では「どうやったら地域が元気に、持続可能になっていくのか」ということを考えているんですね。持続可能な社会に必要なのは3つ。企業でも言われていることですが、社会開発、経済開発、そして、ベースには環境保全があって、それぞれに関わる人たちがいるわけです。

ゲストトーク
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森:経済開発中心の人に、環境のことなんてやっても儲からないじゃないか、と言われることはないですか?

増田:そうですね、いろいろな人がいますし、地域のことを考えると、現実的な意見の対立もあるかもしれません。

森:例えば?

増田:北杜市は日照時間が長く、太陽光エネルギーを推進しています。それは社会開発や経済開発にもつながることだけれど、一方で今問題になっているのは、森を切り開いて大きな太陽光パネルをつくるという、環境保全との対立です。そこをどう考えていくか、ということも問題になってきます。

森:増田さん自身、地域の自然エネルギー推進団体の役員もされていますよね。

増田:そうですね。経済、社会、環境のバランスの上で自然エネルギーを実現しようとしていますが、時には、森を切り開くことをどう思っているのかと聞かれることもあります。

森:そういう場合は、どう答えているのですか?

増田:反対ですと。ただし、どうしたら経済、社会、環境のバランスが取れるのかは考えていきたい。僕の役割として、バランスを取ることを働きかけたいんです。そのためにも、そういう団体に関わることも大事だと。







増田:地域をぎゅっと小さくすると、「自分の家」という単位に辿り着きます。家をつくるのに、関心ある人たちを招いてワークショプ方式で漆喰塗りやウッドデッキづくりを手伝ってもらったり。薪ストーブの煙突掃除をしたりなんてこともしてきました。

森:家庭においては、かなり持続可能なわけですね。

増田:そのつもりですが、出張が多くて家にいないことも多いから、難しくもあるのですけれど(苦笑)

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