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第16回 「持続可能な地域づくり」増田 直広 氏

  • 2014年11月27日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ
ゲストトーク:「持続可能な地域づくり」
ゲストトーク
ゲストトークは増田さんと森さんの掛け合いで進行。増田さんによる
参加者への期待度チェックのアイスブレークにツッコミをいれる姿も

環境教育を仕事にする

森:環境教育の現場では「ますやん」というニックネームで知られている増田さんですが、そもそも何故、環境教育に惹かれたんですか?

増田:僕の出身地、群馬県の桐生市には、日本で最初の公害で知られる足尾銅山を上流に持つ渡良瀬川が流れています。子どもの頃、川で魚を獲り水遊びをして過ごしているうちに、いつかこういうことを仕事にできたらと思うようになりました。
高校時代にアウトドアの分野に興味を持ち、作家の椎名誠さん、カヌーイスト(カヌー冒険家)の野田知佑さんに憧れ、いつかアウトドア関連の編集・出版の仕事につきたいと考えるようになりました。そして大学に入り、日本の環境教育の第一人者・阿部治先生と出会ったことがキッカケで、環境教育の道に進むことになりました。

ゲストトーク
ゲストトーク


森:
教育というと、アカデミックな感じがしますが。

増田:この阿部先生は、アウトドアをとても大切にしている方で、僕がやっていきたいことに近いなと感じたんです。

森:ところで、増田さんはたくさんの立派な肩書を持っていますが、実際にはどんな仕事をされているのですか?

増田:まず、キープ協会での仕事です。キープ協会はアメリカ人ポール・ラッシュが創設した、環境教育と高冷地農場の実践を通じた人づくりや平和貢献を目的とした団体です。ここでは、実践にこだわりを持ち、自然体験型環境教育をベースにした、総合的な環境教育を目指しています。環境だけではなく、暮らしに関するいろいろな要素も含む学習で、キープ協会の環境教育はESDと言えると思います。

森:ESDはEducation for Sustainable Developmentの略ですね。

キープ協会
キープ協会

増田:
日本が提唱していますが、まだあまり知られてないかも知れません。

森:「持続可能な社会」って、どういうことを言うのでしょうか。

増田:概念が生まれたのは1980年代です。概念として掴み難いかもしれませんが、「環境問題のない社会」「エコとエネがバランスした社会」「自然と人との関係、人と人との関係がいい状態で持続する社会」だとか、子どもたちには「誰にとっても平和な社会」と伝えるようにしています。自然にとっても、人間にとっても、そして今の世代だけじゃなく、未来の世代にとってもいい社会を作っていこうというのが、環境教育やESDが実現したい社会なのです。

キープ協会
キープ協会


森:
人間だけじゃなくいきものも、ということですよね。人間は生きていくために動物を食べたりもするわけですが・・・。

増田:そうですね。キープ協会での初めの3ヶ月間はジャージー牛を飼育している農場で研修をしました。牛を商業動物として捉えつつも、出産に立ち会ったり、子牛のお世話をしたりする中で情を感じることもありました。いろいろあるけれど、どうしたらバランスをとっていけるのか、考えていくことが大切なのかなと思います。

森:難しいけれど、生きとし生けるものについて考えることが大事だと。

増田:ESDの要素のひとつに「人間と人間以外のいきものとの公正」というのがあります。他にも、世代内の公正と、世代間の公正といった考えがあるのですが、人間内のことは想像ができても、人間と他のいきものとの関係となると、なにをどう捉えてゆけばいいのか、価値観の違いによってどこかで支障もでてくるということもあるかもしれませんね。

森:なるほど。

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