ワールドカフェを受けて、全体セッションの時間です。参加者の多くにとって、森林やバイオマスといったテーマは新鮮だったようで、たくさんの質問が出ました。
参加者:佐々木さんが環境教育の中で特に冒険教育というものを始めたキッカケは何ですか?
佐々木:自分にとっては冒険教育が入り口で、はじめは環境にはまったく興味がありませんでした。キッカケとなったのは、不登校引きこもりの子どもたちを預かり、自分たちで農業を始めたとき。そこで初めて、環境というものを意識したのです。
参加者:不登校の子どもたちが、森林で暮らすと、何か変化はありますか?
佐々木:とても大きな変化があります。森林環境にいると早寝早起きのライフスタイルになりますし、前頭葉が刺激されますので、自分で判断したり、他者とコミュニケーションがはかれるようになってきます。
参加者:
そもそもどうして、森と暮らすライフスタイルが大事なのですか?
佐々木:森を資源として循環する経済を作りたいという気持ちを持っているからです。お金を全否定するつもりはないですが、地方ではお金に依存せず、自然から手に入れたものを活用した暮らし方、循環ができるはずなのです。東京のような都市では難しいかもしれませんが、地方ではこういう循環型の地域をつくることが、もっと出来るはずだと思っています。
森:
東京の人たちからすると、森と暮らすライフスタイルって難しいものと捉えるのかな、と思いましたけれど、佐々木さんにとっては?
佐々木:
エネルギーや家具といった生活のあらゆるものに、森からの資源を丁寧に使うことだと思います。とある学習塾では、教室に木材を使い、木質ペレットストーブを導入しています。こういうことが、もっと広がっていけば良いなと思います。
その他にも
「里山や森林と行った場所が好きなので、そういう場所で暮らしていけるよう、地方に仕事をつくるようなことができると良いなと思いました。例えば、キコリガールのようなものが流行ったりしたら面白いと思います」
「屋上緑化や緑のカーテンを地域の人たち皆で取り組むことによって、森のようなものを都会にもつくることができるというアイデアがあります。都会では森と共生できないという先入観を変えていくアプローチを、もっと考えていくことが出来そうだなと思っています」といった意見が出されました。
最後にゲストの佐々木さんからメッセージをいただきました。
「エコ×エネ・カフェを通じて、森林についてあまり知られていないのだということを実感し、もっと森林と都会の人たちをつなぐ役割を果たしていくことが必要なのだと痛感しました。もっと気軽に森林に親しむ場をつくっていこうと思いますし、皆さんも是非、これを機にもっと森林のことを意識し、ソーシャルメディアなどを使って発信していって頂けたらと思います」
緑のgooプロデューサーの東さんからは「佐々木さんから、創造力と想像力が大事だと伺いましたが、ものごとを発想し、生み出す力を持つことで初めて、情報を活かすことができるのだと考えさせられました」と、J-POWERの藤木さんからは、「バイオマスの可能性もさることながら、私自身は佐々木さんのバイタリティにエネルギーをいただきました」と言葉がありました。