J-POWER(電源開発株式会社)は、戦後急速に増えた電力供給需要に応えるために国策として作られ、2004年に民営化しました。北海道から沖縄まで全国に発電所を持ち、日本で使われるエネルギーの約6%を発電する国内最大の卸電気事業者です。暮らしに密着するエコロジーとエネルギーという大切なことに関わる企業として、企業理念である「エネルギーと環境の共生」について、「エコ×エネ体験プロジェクト」を通じて皆さんと共に考えていきたいと思っています。今年は「これからの日本のエネルギーの未来を語ろう」をテーマに3回のエコ×エネ・カフェを実施していきます。今回は「エネルギーと民意」と題して、いつもとは少し違うテーマを設定しました。エネルギー政策に声を届けるとはどういうことか、皆さんで対話を深めていただければと思います。課題を解く答えはひとつではありません。識者から一方的に教わるのではなく、カフェに参加した全ての人の意見を尊重し、気軽に真面目に話し合い、気づきを促すことを通じてお互いが学び合う場を創造していきたいと思っています。このエコ×エネ・カフェがエコロジーとエネルギーを相反するものではなく「つながり」として考えていくきっかけになればと思っています。
東日本大震災を受けて、政府はエネルギー基本計画を白紙から見直すことを決定しました。2012年の夏には、エネルギー・環境戦略の政治決定が行なわれる予定です。経済産業省資源エネルギー庁がエネルギー基本計画に関する意見を国民から募集するなど、国民的議論の展開に向けた環境づくりも進められつつあります。私たち国民の声を政策の現場に届けるとは、具体的には何を意味するのでしょうか。また、その方法にはどのようなもがあるのでしょう。今回のカフェでは「エネルギーと民意」といういつもと少し違う切り口から、エネルギーとエコロジーの未来について学びを深めていきます。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁
新しいエネルギー基本計画に向けたご意見を募集します
http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/ikenbosyu.htm
ゲスト講師:柳下 正治氏
神奈川県平塚市出身。学生時代に激甚公害問題に接し、環境分野に取り組むことを決意。環境庁を中心に、廃棄物、環境影響評価、大気環境、環境保健、地球温暖化、国際環境政策などの多領域の環境政策に携わる。1999年国立環境研究所環境研修センター所長、2001年名古屋大学大学院環境学研究科教授。2005年4月から上智大学大学院地球環境学研究科教授。専門は市民参加論、環境政策論。
まずは二択の質問による参加者の意識チェックです。
最初の問いは「新しいエネルギー基本計画を決定するのは誰?」。国民か、あるいは内閣総理大臣かという問いには、半数をやや上回る人が内閣総理大臣と答えました。制度上は総理だけれど、政治家を選ぶのは私たち国民がだからという解釈から「国民」と答えた人も多くいたようです。続いての問いは「これまで国策に関して直接、政府や政治家に意見を届けたことがありますか?」。この問いに「ある」と回答した人は全体の約三分の一。政治への関心が高い参加者が比較的多いと言えそうです。民意を政治に届けるとは、一体どういうことをいうのでしょう。それぞれの体験をもとに、そしてゲストからの情報提供を受けて、これから対話を深めていきます。