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第6回 「エコなエネルギーの使い方って何だろう」荻本 和彦 氏

  • 2011年2月17日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ

スマートグリッドの未来とは?

森: 平たく言うと、まだ何も具体的なものが出来ていないということですが、世界での動きや最新動向について教えていただけますか?
荻本: オバマ氏が大統領に就任し、エネルギーの設備投資に公共資金が向けられるようになったことがスマートグリッド開発競争の契機となりました。今はその時着手されたさまざまな研究がとりまとめられ再構築されている段階です。日本でも研究があり、私が関わっている研究の一つは、東京大学、東京工業大、早稲田大学が家電メーカー20社ほどと組んで進めている研究です。日本の家電メーカーは優秀な家電を作る能力が抜きん出ています。ですので、この研究が世界をリードする流れを作れるのではという可能性を感じていますね。

再生可能エネルギー導入と集中/分散エネマネ
再生可能エネルギー導入と集中/分散エネマネ
Q&A方式でテンポよく展開されるトーク
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森: では、これからはどうなっていくのでしょう?
荻本: 現在は、明日の天気が分かると、明日の需要が見込める、という段階にあります。この情報をうまく活用できれば、予測を立てて、余る時には安く、足りない時には高い電気料金の設定をすることができるようになります。それによって、エネルギーを必要に応じて効率的に安く使うことが出来るようになるわけですね。例えば、ヒートポンプ給湯、電気自動車充電などを活用して一軒あたり1kWの調整ができると、日本には住宅は5000万軒ありますので約5000万kW調整できることになります。
森: インパクトは大きいですね。
荻本: ただ間違えてはいけないのは、エネルギーというのは省エネのために使っているわけではないことです。ですから、「人間は何をしたいのか、それに対して必要なエネルギーをどう投入するか」というところから考えることが大切です。今「スマートなんとか」という言葉がはやっていますね。スマートグリッド、スマートエネルギーシステム、スマートコミュニティー、など。これが意味するのは、今までの延長線上で経済成長を考えて来ましたが、石油がなくなる、、地球温暖化に対応しないといけないという時代には何を基点にどう変えていかなくてはならないか、という視点が問われているということだと思います。

熱心に解説する荻本さんとそれに真剣に耳を傾ける参加者の皆さん
熱心に解説する荻本さんとそれに真剣に耳を傾ける参加者の皆さん
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住宅/地域の将来像をトータルに描く
住宅/地域の将来像をトータルに描く
会場の様子

森: スマートって賢いってことですよね。これまではスマートじゃなかったっていうことですか?
荻本: よりスマートになる、というイメージですね。例えば、家の場合、断熱のよい家を造れば常時は暖房がいらなくなります。そうすれば、冷暖房兼用のエアコンの効率を上げる必要がなくなります。単に省エネというだけではなく、そういった総合的な観点からもう一度ライフスタイルを見直してみようというのがスマートグリッドの考え方です。

J-POWER藤木さん登場
J-POWER藤木さん登場
J-POWER藤木さん登場

森: ここで、J-POWERの藤木さんにも入っていただきましょう。これまでのように電力会社側が全て調整するのではなく、新しい技術をいれて需要側でもいろいろと調整できるようにしようということでしょうか。
藤木: そうですね。需要側にもご協力いただいて、うまく調整がつけられるといいな、それによって自然エネルギーなども使いやすくなっていくかな、という点がひとつ。もうひとつは、エネルギーは今使い手側に見える化がされていませんが、エネルギーの使用状況が分かり、賢く使って行けるようになるということですよね?そこで気になるのは、エネルギー(資源)は限りあるものだから大事に使わなくてはならないという思いがあって省エネは、今後も大事なことと考えていますが、エネルギーマネジメント装置ができて機械にお任せになっちゃうと、自分たちで考えなくなってしまうのではないでしょうか?
荻本: 設定そのものは人間がやることになりますよね。それと、自分の家でのエネルギーの使い方を見える化するための機械というのが開発されていて、それを自分で見て設定を調整したりすることができるようになる予定です。
藤木: 電気の使用状況から、個人のライフスタイルも映し出されますね。

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