孔子の「論語」の中に、『子曰、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして…(略)』という、人間形成の過程を述べた一節があります。これによると30代の私は、「而立(じりつ)-自分の考えや信条をしっかりと持ち、他人の意見や言動に左右されず、夢や目標に従って生きる」年代となるようです。
実際友人を見ていると、目標を見つけイキイキと働いたり、自分の役割を見出して地に足がついてきているように思います。とはいえ、全員がそうではないし、そう見える友人も時には悩んだり、模索していたりして、結局のところ「而立」する努力をし続ける年代とも言えるのかもしれません。
そんな悩める大人たちにも、実はキャンプが役に立てることをご存知でしょうか。
子どもたちにとってキャンプは、何かに挑戦して、成功する体験の場です。一見ただ楽しく遊んでいるだけに見えるけれど、実は遊びの中から学び、成長しています。やりたいことを見つけ、自分なりの課題を持ち、挑戦してみる。思ったように上手くいかず失敗することもあるけれど、いずれ成功できる。その過程には、自分の力だけではなく他人から教わったり、見て学んだりすることもあり、併せて人との関わりを学び、人を尊敬する心、信じる心なども学んでいるのです。
学びの要素が詰まった、大小さまざまな成功体験を繰り返すことは、新たな挑戦への意欲や自信に繋がり、そのプロセスが集合体であるキャンプは、あらゆる角度から子どもの成長を手助けしています。
このプロセスは、子どもに限らず大人にとっても大切なことです。ただ難しいのは、大人がそのプロセスを意識するのは大半が仕事の場であり、責任が伴い、失敗しづらいことにあります。失敗は大切な成長の要素なのに、挑戦と失敗の狭間で責任ある大人は悩んでいるのです。(そこに人間関係やディスコミュニケーションが加わるとより複雑に・・・)
だからこそ、キャンプのような場に出向いて、遊びという隠れ蓑を着ながら、失敗すら楽しむ挑戦をしてもらいたいのです。そして自信を付け、日常の仕事に還元してもらえたら、キャンプが大人の役にも立てるのです。
子どもたちのキャンプに、個々の成長を応援して見守ってくれるキャンプ指導者がいるように、大人の日常にもそんな存在がいたらいいのになぁ。
(みろ)
日本キャンプ協会のホームページでは、キャンプのノウハウ、安全にキャンプを行うために参考になる情報を無料で提供しています。
日本キャンプ協会WEBサイトダウンロードセンター:
http://www.camping.or.jp/download/