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キャンプの恵み

Vol.166 地球には冬が必要だ

  • 2020年3月2日
  • (社)日本キャンプ協会

 例年にない暖冬となっている今年、2020年の冬。気が付けばもう2月も終わりなのですが、今年「冬」ってあったっけ?、そんな気持ちにさせられてしまった冬でした。

 キャンプの界隈でも、スキーキャンプや雪に親しむ活動をメインに据えたプログラムが雪不足のため、苦しい工夫を強いられている話を漏れ聞きます。そして、冬のアクティビティ、スキーやスノーボードを安全に楽しむためのフィールドであるスキー場も雪不足で苦境に立っている、遂に倒産というニュースまで舞い込んできました。

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 自然界に目を向けてみると、自然の中に生きる植物や動物たちは、その寒さを利用して生きていることに気付きます。今年はうまく冬眠できなかった熊やヘビといった動物のニュースも聞きました。こうしてみると、きちんと寒い冬があることは、その環境に適応して進化、そして生活してきた私たちにとって実はとっても大切な事なのではないでしょうか。

 気象庁が出している資料に、地球温暖化予測情報というものがあります。今現在(1980~1999)から比べて21世紀末(2076~2095)の日本でどのような気候の変化が起こっているか予測した資料なのですが、例えば、年の平均気温は全国平均で4.5度上がる、猛暑日が増加する、真冬日が1ヶ月分ほど減少するといった変動がある可能性が示唆されています。

 もし年平均気温が4.5度上がったら、東京の平均気温は現在の屋久島の平均気温に近い値になるそうです。

 そんな危機的な「冬」に焦点を当て、起こりうる気候変動に対して、アクションを起こしている人たちもいます。プロスノーボーダーやスキーヤーをはじめとしたスノーコミュニティーにいる人たちが中心となって、今回のタイトル、「地球には冬が必要だ」を掲げ、Protect Our Wintersとして、「(私たちの)冬を守るため」に様々な活動しています。

 私たちも「今年って冬あったっけ?」や「今年の夏は暑すぎる気がする…」、そんな「あれっ?」と思ったことをそのままにせず、少し先の未来を、周りを巻き込んで考えてみる必要があるのではないでしょうか。冬の寒さや雪も、春の花たちも、夏の(適度な)暑さも、秋の紅葉も、今の気候と自然の賜物で、キャンプには欠かせない魅力なのですから。

(まっちゃ)

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