防災キャンプ。この名前、いろんなところで聞くようになりました。
とは言え中身は千差万別。そして「災害を防ぐキャンプ」というのも、ちょっと不思議な感じです。
今日は一体これがどんなものなのか、考えていきたいと思います。
このキャンプの恵みでも折に触れてお話ししてきた通り、キャンプは、「場面設定」が得意です。その特徴を活用したプログラム(グリーフキャンプ※など)もたくさん行われています。そして、キャンプはしばしば、普段の生活環境より不便な環境で行うことが多く、さらに集団生活の要素があることも、多くの(組織)キャンプの傾向です。
まずここから考えられるのが、自然災害で被災した時の状況を疑似的に作り出してシミュレーションができそうという事です。具体的には、避難所での生活などが挙げられそうですね。そのようなプログラムを通じて、心に余裕があって、失敗や試行錯誤ができる環境で、疑似体験をして「備える」ことができる点は、万が一の時に役に立ちそうです。
でも、そういった参加者個々の体験から得られることも大切ですが、こういったプログラムを例えば地域で行うことで、地域のみんなで、避難所はどこで、備蓄倉庫はここで、鍵は誰が持っていて、災害に備えた設備(下水道トイレやかまどベンチ)がここにある、その使い方は…といったことを確認できること、これも大切なことではないでしょうか?
また、そうやって一緒に活動をすることで得られる地域のネットワークも大きな収穫の一つになると思います。
実は、火起こしの技術や、ブルーシートで居住スペースを作るといったサバイバル的なことは「その時」に本当にそのまま使えるかどうかわかりません。もちろん「知っている」ということは、そこから考えることや行動することができますので、決して無駄にはなりません。でもその前に、どうして防災キャンプがしたいのか、防災キャンプに何を求めるのかを、今一度考えてプログラムを作ってみませんか?
そうすると、きっと「災害(にあったときに、二次的な被害や必要以上の大きな被害)を防ぐ(ことにつながるかもしれないことが得られる)キャンプ」ができると思います。
(まっちゃ)
※グリーフキャンプ
大切な人やものを喪失した悲しみ、苦しみを自分なりに受け止め、整理できるようにするプロセスを支援する、その取り組みをキャンプに取り入れたものがグリーフキャンプです。
詳しくはグリーフキャンプ報告書をご覧ください。
●グリーフキャンプ報告書 2011.3.11-2013.3.30
http://www.camping.or.jp/201306griefcamp.pdf
●グリーフキャンプ報告書 2014.4.1-2016.3.31
http://www.camping.or.jp/201603griefcamp.pdf