A: 干潟の泥には多くの栄養塩類や有機物が溶け込んでいて、さまざまな水生生物の生命を支えている。それだけでなく、水中の有機物を分解したり、栄養塩類や二酸化炭素(CO2)を吸収して酸素を供給したりしている。植物プランクトンは、窒素やリンを吸収して富栄養化を防止する。バクテリアも窒素を除去する。そして、アサリなどの二枚貝類をはじめとするろ過食性動物は、有機物の除去に貢献する。このように、干潟とそこで暮らす動植物は、海水の浄化に大きな役割を果たしている。
A: 水産庁によると、全国にある100を超える漁業協同組合などの漁業者が、干潟の保全活動を行っている。干潟を守り、再生することが、沿岸域の水質保全や漁場の確保につながるためだ。たとえば、アサリなどの二枚貝類は水質の浄化と漁業に大きな役割を果たしているため、底質を改善して生息環境を整える客土が行われている。また、干潟の後退を防ぐ対策や、海底のかくはん、貝などの死がいやアオサなどの除去、漂着ゴミの回収、稚貝や母貝の放流、外来種駆除などの活動が各地で行われている。