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「コウノトリ」 Q&A解説

読み:
こうのとり
英名:
Ibis
  • Q: コウノトリはなぜ減ってしまったの?
    日本にもコウノトリがたくさんいたそうだが、なぜ激減したのだろうか?

    A: 翼を広げると約2mにもなるコウノトリは、日本を代表する大型の鳥として、国の特別指定天然記念物に指定されている。ヨーロッパやアジアに分布し、マツなどの樹上に巣をつくる。江戸時代末期までは日本にも多くいたが、1964年に繁殖個体として絶滅し、1971年に野生のコウノトリは姿を消した。数が減った原因は、1) 明治時代に入り狩猟が解禁されたため、2) 河川や湿地の開発などによる生息地の消失、3) 農薬の使用による採餌条件の悪化、などだ。戦時中に行われた大木の伐採によって、営巣地の多くが失われたことも原因のひとつといわれる。1999年に開園した兵庫県豊岡市の「兵庫県立コウノトリの郷公園」では、コウノトリの保護増殖と野生復帰を進めるため、1) 水田のビオトープ化による餌場の確保、2) 常時湛水稲作、3) 減農薬・無農薬栽培、4) 魚道の整備や河川の自然再生、5) 営巣木であるマツを確保するための里山林の整備、などに取り組んでいる。

  • Q: 「コウノトリの郷米」ってどんなお米なの?
    コウノトリの野生復帰のための農法で栽培されたお米とは、どんなものなのだろうか?

    A: コウノトリは、国の特別指定天然記念物で、レッドリストでは「絶滅危惧IA類」に指定されている。狩猟や自然環境の変化などで激減したが、国や兵庫県、豊岡市などが保護に取り組み、兵庫県立コウノトリの郷公園には約100羽が生息している。同公園では生息地になる周辺環境の整備などを地域住民と連携して行い、餌場を確保するための水田のビオトープ化などを進めている。そこで行われているのが、「コウノトリ育む農法」による稲作だ。同農法は、1) 冬に水田に水を張る冬期湛水、2) 農薬の使用を中止して水田に有益な生き物を増やし、害虫の防除を図る、3) 水田の水を深く保ち雑草の発芽を抑える、4) 中干しを延期してコウノトリの餌となるカエルを増やす、などを行うもの。2007年には80戸の農家により、約130haの面積で実施された。そこで収穫された米のうちコシヒカリは「コウノトリの郷米」として販売されており、JAなどを通じて大都市圏にも出荷されている。

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