A: 知床半島は、厳しい自然条件によって自然が守られてきたが、その一方で、大正から昭和にかけての開拓や、横断道路(国道334号)の建設などによる開発が行われ、「保護か開発か」にゆれた場所でもあった。1977年に網走管内斜里町によって離農跡地を募金で買い取り、植林で原生の森を復活させる「しれとこ100平方メートル運動」がスタートし、開発から自然保護への転機となった。この運動は、当時の斜里町町長がイギリスのナショナルトラスト運動にヒントを得て発案したもので、環境保護に関心を寄せる人の共感を呼び、全国に広まった。
A: 知床半島の動植物は、哺乳類16種、鳥類49種、魚類13種、両生類・爬虫類2種、植物94種が環境省レッドリスト、北海道レッドリストにあげられている。主なものは哺乳類ではゼニガタアザラシ、チビトガリネズミ、コテングコウモリ、エゾオコジョなど。鳥類ではシマフクロウ、ウミスズメ、イヌワシ、オオタカ、ヒシクイ、エゾライチョウなど。魚類ではチョウザメ、イトウ、オショロコマ、アオウミガメ、エゾサンショウウオなど。植物では、ハマタイセイ、トモシリソウ、ムシャリンドウ、エゾヨモギギクなどとなっている。