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「ストックホルム条約」 詳細解説

読み:
すとっくほるむじょうやく
英名:
Stockholm Convention on Persistent Organic Pollutants

ポリ塩化ビフェニル(PCB)やダイオキシン、DDTなどの残留性有機汚染物質(POPs)は、環境中での残留性や、生物への蓄積性、人や生物に対する毒性が高い。しかも、環境中にいったん放出されると、偏西風などの影響で長距離を移動することがわかっている。これを裏付けるように、POPsが放出されていない極域にすむアザラシなどの体脂肪から、POPsが検出された調査結果がある。このような特性をもつPOPsによる環境や生物への悪影響を低減するためには、一国・一地域のみではなく国際的な規制を強化して、POPsの放出と移動を防止する必要がある。

このため、1995年に米国国務省と国際環境計画(UNEP)の共催により開かれた政府間会合の場で、早急な対応が必要な12のPOPsを減少していくために、法的拘束力のある国際的な排出規制の枠組みを設ける合意がなされた。その後の政府間交渉を経て、2001年5月にストックホルムで開かれた外交会議で、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)が採択された。本条約は2004年5月に発効し、2012年1月現在で150カ国及びEUが署名し、日本を含む176カ国及びEUが締結している。事務局はジュネーブのUNEP内にある。

本条約の目的は、POPsから人の健康と環境を保護することだ。そのために、PCBなど19物質の製造・使用・輸出入を原則として禁止し、DDTなど2物質の製造・使用・輸出入を制限している。また、非意図的に生成されるダイオキシンなど4物質の削減による、廃棄物の適正管理についても定めている。

2013年5月にスイスのジュネーブで、本条約と、有害廃棄物の国境を越える移動・処分を規制するバーゼル条約、有害化学物質の貿易を規制するロッテルダム条約の各締約国会議及び初の合同締約国会議が行われた。合同会議では、環境上適切な化学物質・廃棄物管理に関する閣僚宣言が承認され、水銀条約も含めた連携と共同活動を進めていくことになった。また、3条約の共同事務局長設置や、化学物質と廃棄物対策を進めるための資金調達などについて話し合いが行われた。

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