A: 残留性有機汚染物質(POPs)は、ダイオキシンやPCB、DDTなどの毒性が強く、残留性や生物蓄積性をもつ化学物質の総称だ。POPsは環境中に放出されると、偏西風などの影響で極域へと向かって国境を移動することがわかっている。このため、一国が放出規制を行うだけでは、POPsによる環境や生物への影響を防ぐことはできない。国際的な規制を条約により定めて、加盟国をはじめとする世界各国に順守を求める必要がある。こうした理由から2001年にストックホルム条約(POPs条約)が採択され、2004年5月に発効した。
A: POPs条約に基づき製造・使用、輸出入が原則禁止されるのは、アルドリン、アルファーヘキサクロロシクロヘキサン、ベーターヘキサクロロシクロヘキサン、クロルデン、クロルデコン、ディルドリン、エンドリン、ヘプタクロル、ヘキサブロモビフェニル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ヘプタブロモジフェニルエーテル、ヘキサクロロベンゼン、リンデン、マイレックス、ペンタクロロベンゼン、PCB、テトラブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモジフェニルエーテル、トキサフェンの19物質だ。また、製造・使用、輸出入が制限されるのはDDTと、PFOSとその塩及びPFOSFだ。ただし、PFOSについては除外規定がある。