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「地球温暖化対策の基本法」 詳細解説

読み:
ちきゅうおんだんかたいさくのきほんほう
英名:
Basic Law for Prevention of Global Warming

日本は、温室効果ガスの排出量を2050年までに最大で80%(長期目標)、2020年までに1990年比で25%(中期目標)削減するという目標を掲げている。そして、これらの中長期的な目標を達成するために、あらゆる政策をとる姿勢を示している。その一環として環境省が制定を目指しているのが、「地球温暖化対策の基本法」だ。民主党が2009年の通常国会に提出して廃案となった時の名称は「地球温暖化対策基本法案」という。政権交代を受けて同省は、同法案を一部修正して2010年の通常国会に提出する方針を示している。ここでは、前法案の内容をもとに骨子を解説する。

同法案は、全5章と附則からなる。まず「総則」では、温室効果ガスの排出量を削減することなどを目的として掲げ、用語の定義、温暖化対策を進める上での原則、各主体の責務などを定めている。続く第2章では、先にあげた政府の中長期目標とともに、わが国における一次エネルギー供給量に占める新エネルギーの割合を2020年までに10%とする目標を明記している。また、第3章では、政府による「地球温暖化対策に関する基本的な計画(基本計画)」の策定とその内容、地方自治体による計画の策定などについて定めている。

さらに、第4章では、温暖化対策として次の施策を進めるとしている。1) 国内排出量取引制度の創設、2) 地球温暖化税の導入、3) 固定価格買い取り制度、4) 原子力発電を含めた革新的な技術開発、5) 省エネ推進、6) 事業者による排出量情報の公表、7) フロンの使用抑制、8) 森林や緑地による温室効果ガスの吸収作用の保全・強化、9) 適応を図るための施策、10) 新事業への支援、11) 国際協調、12) 環境教育の振興、13) 調査・監視、14) 諸外国の制度に関する調査、15) 政策形成への民意の反映―など。このほか、第5章で地球温暖化対策本部について、附則で既存の地球温暖化対策推進法の改正などについて定めている。

同法案の内容をもとに同省が2009年12月にパブリック・コメントを実施したところ、2389もの個人や企業・団体から意見が寄せられ、日本としての中長期目標を決めるのは時期尚早とする意見が多かった。理由としては、他の主要国の動向がはっきりしないことや、国民生活や雇用など経済への影響を懸念する声が目立つ。一方で、より高い中期目標を設定すべきであるという意見もあった。

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