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「ポスト京都」 詳細解説

読み:
ぽすときょうと
英名:
Post-Kyoto Protocol

1997年12月に京都で開かれた「気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)」で採択された京都議定書で、先進国などが二酸化炭素(CO2)など6種類の温室効果ガスを、2008年から2012年の「第1約束期間」の間に全体で5.2%(1990年比)削減することなどが合意された。この数値目標には法的拘束力があり、日本の目標は6%削減だ。同議定書には、176カ国と欧州共同体が締結しており(2007年12月現在)、その運用ルールはCOP(締約国会議)などで話し合われ、「マラケシュ合意」として確定した。2008年4月1日に始まった同議定書の第1約束期間の後、つまり2013年以降の地球温暖化ガス削減を目指す枠組みのことを「ポスト京都議定書」(ポスト京都)という。「ポスト」は、英語で「・・以後」の意味を表す接頭語だ。

同議定書には、温室効果ガスの排出大国である中国が「途上国」であるという理由で排出削減の義務を課されていないことや、米国の不参加などさまざまな課題がある。また、先進国による排出削減がまず先であると主張する途上国と、意欲的な数値目標を掲げるEU、具体的な目標設定には消極的なアメリカなど、国や地域による温度差がある。このため、ポスト京都のあり方について、京都議定書の見直しも含めた議論が、COPやCOP/MOP(議定書を締約した国々による会議)などの場で行われてきた。

2007年12月にインドネシアで開催されたCOP13では、新たな交渉イニシアティブである「バリ・アクションプラン」が採択され、交渉の進め方が「バリ・ロードマップ」として示された。そこでは、ポスト京都について、締約国すべての参加による新たなワーキンググループ(AWG)を条約の下に設置し、2009年までに採択することなどが合意された。また、IPCCの第4次評価報告書を受けた世界全体での削減目標と先進国の削減幅の見直しや、京都議定書第9条に基づく議定書の見直し(いわゆる「9条レビュー」)などの必要性が検討された。

2011年12月に南アフリカのダーバンで開催されたCOP17で、ポスト京都のあり方についての合意がついに得られた。米国や中国を含めた新たな法的枠組みを2020年に開始することや、京都議定書を2013年以降も延長することなどが決まったのだ。しかし、日本は延長後の京都議定書に参加しないことを表明しており、EUを除く多くの主要排出国に削減義務が課されない期間が生じることとなる。京都議定書の延長期間や数値目標などの詳細は、2012年にカタールのドーハで開催されるCOP18で決められる予定だ。

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