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「環境ホルモン」 詳細解説

読み:
かんきょうほるもん
英名:
Endocrine Disruptor

環境ホルモンは日本独特の言い方であって、正式には「内分泌かく乱化学物質」と呼ぶ。1996年、アメリカの科学者シーア・コルボーンの『奪われし未来』が出版され、ある種の化学物質が動物の生殖活動に影響を与えると警告を発し、世界的な注目を集めた。

環境ホルモンの影響については、本来雄になるべき魚や貝が雌化するなど、生態系に影響を与えるとともに、人間の場合には男性の精子の数を減少させるなどといわれ、ワニのペニスの矮小化やイボニシの雄性化(雌の雄化)などがその具体例として報告された。その作用メカニズムについては、まだ不明な点が多く、断定することが難しい。しかし、一般的には、本来ホルモンが結合すべきレセプター(受容体)に化学物質が結合することによって、遺伝子が誤った指令を受け取ると考えられている。環境ホルモンが生体内に入ることによって「偽の鍵」の役割を果たすと説明されることが多い。一方、こうした現象がマスコミによって過大に取り上げられたため話題先行となり、科学的な研究が追いついていかない状況もあった。

環境ホルモンについては、研究者や機関によって定義が確定していないが、環境省は「環境ホルモン戦略計画SPEED´98」で、「動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常ホルモンの作用に影響を与える外因性の物質」とし、疑われる化学物質として、ダイオキシン、ポリ塩化ビフェニール類(PCB)、殺虫剤のDDT、工業用洗浄剤などとして使われるノニルフェノールなど65種類をリストアップ。これらの物質について、優先順位の高いものから順次リスク評価を行ってきた。

しかし、環境省は2004年度からSPEED´98の見直しを進め、2005年3月に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について−ExTEND2005−」を発表した。この「ExTEND2005」では、疑われる化学物質のリスト化を廃止。内分泌かく乱作用に関する調査研究を行う物質の選定では、まずはすべての化学物質を対象とし、客観的な基準を設けた上で選定、試験結果については公開の場で検討を行い、総合的な評価を行うこととしている。また、具体的な方針として、1) 野生生物の観察、2) 環境中濃度の実態把握及び暴露の測定、3) 基盤的研究の推進、4) 影響評価、5) リスク評価、6) リスク管理、7) 情報提供とリスクコミュニケーション等の推進、などをあげている。

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