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「オゾン層破壊」 詳細解説

読み:
おぞんそうはかい
英名:
Ozone Depletion

オゾンは地球の大気中に含まれる物質で、大部分は上空20〜30?の成層圏にあり、オゾン層を形成している。オゾン層は太陽光線に含まれる、皮膚がんや白内障などを誘発する有害な紫外線を吸収する働きを持っている。このオゾン層が破壊されると、地上に到達する有害な紫外線の量が増加し、皮膚がんや白内障の増加、農作物への悪影響が生じる恐れがある。

1970年代半ば、オゾン層が破壊されているという指摘がアメリカの科学者によって行われ、85年には南極上空でオゾン層が破壊されてできたオゾンホールが観測された。2001年にはオゾンホールは南極大陸の2倍の面積に達した。日本上空でも沖縄以外の地域でオゾン層の減少が観測されている。

オゾン層を破壊するのは、主に冷蔵庫やエアコンの冷媒、電子部品の洗浄剤などに使われていたフロンという化学物質である。フロンには毒性がなく、化学的に安定しており燃えない、揮発性が高いなどの便利な性質をもっているため、広く利用されてきた。しかし、フロンは大気中に放出され成層圏に達すると塩素原子を放出し、オゾンによる酸化と酸素原子による還元を繰り返し、オゾン層のオゾンを減少させ、オゾン層を破壊する。

このため85年に「オゾン層保護のためのウィーン条約」が、87年にはオゾン層を破壊するおそれのある物質を特定し、その生産、消費、輸入を規制する「モントリオール議定書」が採択された。わが国でもこれらの条約、議定書に加入するとともに、88年にオゾン層保護法を制定、フロンなど主要なオゾン層破壊物質の生産を削減している。

2001年にはフロン回収破壊法が制定され、業務用エアコンや冷蔵庫・冷凍庫、自動販売機、カーエアコンからのフロンの回収・破壊が義務づけられた。このうち、カーエアコンのフロンの回収・破壊については、2002年に制定された自動車リサイクル法により規制が引き継がれている。

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