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「愛知万博(愛・地球博)」 詳細解説

読み:
あいちばんぱく
英名:
EXPO 2005 AICHI JAPAN

「愛知万博」は、2005年3月25日から9月25日の185日間、「自然の叡智」をテーマに、環境配慮、地球大交流、市民参加、ITを4つの柱に掲げて行われた。愛知県瀬戸市および長久手町で開催され、121の参加国、国際機関、企業、市民が参加し、メーン会場となった長久手会場は約158haの広さで、各国や企業のパビリオンが並び、サブ会場の瀬戸会場は約15haの広さで、万博では初めて市民が主体となって企画、運営する「市民パビリオン」が開設され、平和や自然などをテーマにしたシンポジウムなどが行われた。

当初、瀬戸市の里山を造成してメーン会場にする予定だった。しかし、「海上(かいしょ)の森」で絶滅危惧種のオオタカの営巣が確認され、環境保護団体の反対もあって、長久手町にメーン会場を移した。長久手会場のメーンストリートの歩道の一部分にはスギの間伐材が使われるなど、会場づくりや運営にあたっては、環境に負荷をかけない取り組みが行われた。

たとえば、会場内でのごみ分別については、一般来場者には9種類、パビリオンやレストランなどの参加者・出展者には17種類の分別回収が求められた結果、リサイクル率75%という結果を挙げた。また、愛・地球博来場者のエコ活動に対して発行され、会場内でのみ使える環境通貨「ポイント」が実験導入され、3カ月で9万人以上の人がポイントを交換した。会場間の移動には燃料電池バスが利用され、会場内のレストランやフードコートでは、植物が原料で微生物の働きで分解される「植物プラスチック」製の食器を使用するといった取り組みもあった。

会期中の総入場者数は、最終日である9月25日に2200万人を突破した。1日あたりの最多入場者数は、同月18日に記録した28万1400人だ。入場料収入だけでも当初見込みの425億円を約150億円上回った。愛知万博は、従来の万博の進歩・発展路線とは一味違う「自然の叡智」をテーマに掲げた点が特長だ。万博は、BIE(博覧会国際事務局)の承認を受けて、国際博覧会条約に基づき開催される。1851年にロンドンで開催されて以来、産業技術の発展や都市開発の促進、新文化創造などを目指すものが多かった。

長久手会場の跡地は、愛・地球博の理念と成果を引き継ぐ「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」として整備された。

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