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「次世代照明」 詳細解説

読み:
じせだいしょうめい
英名:
Next-Generation Energy-Saving Lighting

照明は、私たちの生活や産業など社会にとってなくてはならないものだ。しかし、照明にかかわるエネルギー使用量は意外に多く、平均的なオフィスビルの場合、ビル全体で消費する電力の約2割を照明が占めている。また、家庭における照明に関する電力使用の割合も増加しており、品目別にみると冷蔵庫に続き2番目となっている。このような照明のエネルギー使用量を減らし、効率よく対象を照らすために開発が進められているのが次世代照明だ。省エネ照明と呼ばれることもある。

次世代照明の中で最も開発が進み、普及への期待が大きくなっているのがLED(発光ダイオード)だ。LEDは光を発生する半導体の総称で、ろうそく、電球、蛍光灯に続く「第4の照明」とも言われている。少ない電力で明るく輝き、寿命が長く、割れにくいといった優れた特長を多く持つ。とくに寿命については最大で白熱電球の約40倍に達し、光源部分の寿命も従来の蛍光ランプに比べて約7倍に及ぶ。このため、買い替えの手間や廃棄物の発生を少なくすることができる。

電球型蛍光ランプは、形は従来の白熱電球に似ているが、中身は蛍光灯というすぐれものだ。LEDほどではないが高い省エネ性能を持ち、白熱電球の数倍から十数倍長持ちする。しかも、年間の電気代を4分の1程度に減らすことが可能だ。一方、オフィスや工場向けでも直管や環形の蛍光灯に代わるLEDや蛍光ランプが実用化されており、徐々に次世代型の照明へと置き換わりつつある。また、植物工場など新たな産業における照明としても活用が期待されている。

次世代型の照明が普及していく上で、解決すべき最大の課題がコストだ。LED電球を例にとると、1個当たりの価格が白熱電球の10倍以上するため、長い目で見れば元が取れるとわかっていても消費者としては購入しにくい。こうした中、環境省経済産業省は2012年6月に「あかり未来計画」という照明キャンペーンを開始した。開発や普及が進む半面、性能上の問題が指摘されている。消費者庁は同年同月、一般照明用の電球形LEDランプを販売する12社に対して、実際よりも明るく光るような誤解を与える表示が行われているのは景品表示法違反であるとして、その旨を消費者へ知らせることを求める措置命令を発した。

現在、LEDに続く新たな次世代照明として注目されているのが有機EL照明だ。電気を通すガラスやフィルムに有機物を薄く塗り、電圧をかけて光らせる技術で実用間近だ。一方、個々の製品の性能向上に加えて、照明を賢く制御することで少ないエネルギーにより周辺(アンビエント)と作業場所(タスク)を適正に照らす、「タスク・アンビエント照明」が注目されている。

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