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「特定都市河川浸水被害対策法」 とは

読み:
とくていとしかせんしんすいひがいたいさくほう

近年、都市部で浸水被害がひん発する一方で、宅地開発などにより調整池が埋め立てられることが問題となっている。都市部における浸水は都市機能のまひや地下街浸水などの大きな被害につながるが、市街化が進んだ都市部では河道の拡幅や堤防のかさ上げ、洪水調節ダムの整備などの手段によって浸水被害を防止することは難しい。こうした背景のもと2003年6月に成立したのが特定都市河川浸水被害対策法だ。著しい浸水被害が発生するおそれがあり、通常の河川整備による浸水被害の防止が困難な都市部を流れる河川とその流域を「特定都市河川」または「特定都市河川流域」に指定し、浸水被害対策を推進していくことを義務付けている。たとえば、名古屋市などを流れる新川流域では集中豪雨による浸水で深刻な被害が発生したため、国土交通省の同意と流域内市町の合意を得て同法が適用された。

同法は、流域水害対策計画の策定などによって、河川管理者や下水道事業者など幅広い流域関係者の参加による流域単位での管理を求めている点が特徴だ。流域水害対策計画は、浸水被害対策を推進するために、特定都市河川の河川管理者や特定都市下水道の下水道管理者、関係都道府県知事、市町村長が共同で策定するもので、特定都市河川流域に関して次の事項を定めることになっている。1) 浸水被害対策の基本方針、2) 都市洪水や都市浸水の発生を防ぐべき目標となる降雨、3) 特定都市河川の整備、4) 河川管理者が行う雨水貯留浸透施設の整備、5) 下水道管理者が行う特定都市下水道の整備、6) 河川管理者と下水道管理者以外の者が行う浸水被害を防止するための一時的な雨水の貯留や地下浸透、7) 下水道管理者が管理する特定都市下水道のポンプ施設の操作、8) 浸水被害が発生した場合における被害の拡大防止するための措置、9) その他。また、保全調整池の指定や管理、都市洪水想定区域の指定・公表などについても定めている。

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