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「環境難民」 とは

読み:
かんきょうなんみん
英名:
Environmental Refugees

海面上昇や砂漠化、森林伐採など、環境や気候の激変によって居住地からの移動を余儀なくされた人々。近年、地球温暖化による気温の上昇が主な要因とされる海水面の膨張や、南極やグリーンランドの氷河が溶けて起こる海面上昇などの影響が顕在化している。全土が低地である南太平洋のツバル共和国は、海面上昇により国が水没した場合、1万人以上の国民を受け入れて欲しいと国際社会に要請し、ニュージーランドが2002年に受け入れを表明した。砂漠化や森林破壊、土壌劣化なども深刻な問題だ。

1951年に採択された「難民の地位に関する条約」は、難民を、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義している。国連総会傘下の独立機関である国連大学は、環境問題の影響を受けて移住を余儀なくされる人々の数が今後ますます増え、将来は何億人もの規模で生じる恐れがあると指摘している。

しかし、環境難民の支援については厳しい状況が続いている。理由としては、戦争や自然災害で居住地を追われた難民と比べるとゆっくりとした環境の変化による影響を受けているため、喫緊の課題として認識されにくいことがある。国連の関係機関は既存の難民への対応で手一杯で、環境難民は条約上の難民として認められておらず、特段の支援もない。国際社会が環境難民の現状を把握し、受け入れ体制を整えるべき時期がきている。

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