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「グリーン・ニュー・ディール」 詳細解説

読み:
ぐりーん・にゅー・でぃーる
英名:
Green New Deal

2009年1月、米国でオバマ政権が発足した。オバマ大統領は、環境問題への積極的な取り組みを約束している。その柱である「グリーン・ニュー・ディール」は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーへの投資や環境対策によって景気浮揚と雇用創出を図る政策だ。具体的には、環境対策により雇用創出をはかる「グリーン・ジョブ」に1500億ドルを投資。500万人の雇用創出をめざす。また、石油などの化石燃料から脱却するために再生可能エネルギーの普及を進め、プラグインハイブリッド車などの環境にやさしい自動車を2015年までに100万台普及させる考えだ。

目先の利害よりも長期的な経済発展のための投資を優先するグリーン・ニュー・ディールは、従来の産業振興策とは一線を画する。その名は、米国で1930年代にフランクリン・ルーズベルト大統領が世界恐慌克服のために行った経済政策の「ニュー・ディール」(「新規まき直し」の意味)に由来するが、グリーン・ニュー・ディールの考え方自体は米国発ではない。英国のシンクタンクであるニュー・エコノミックス財団(nef)がまとめた同名のレポート(A Green New Deal)がもとになったと言われている。

グリーン・ニュー・ディールは、すでに国際的な潮流となりつつある。UNEP(国連環境計画)は2008年10月、再生可能エネルギーや自然保護などを積極的に進めることにより、世界全体で経済回復や雇用創出などを図るグローバル・グリーン・ニュー・ディールを打ち出した。一方、グリーン・ジョブについては、国際労働機関(ILO)がUNEPなどとともに世界戦略として進めていくことを共同で提言している。国際連合の潘基文(バン・キムン)事務総長は、同年12月のCOP14(国連気候変動枠組条約第14回締約国会議)で、「緑の成長によって数百万人の雇用を創出する」と発言した。

日本では2009年1月、環境省が環境対策を通じて景気回復と雇用創出を図る「日本版グリーン・ニュー・ディール」のアイデアを国民から募集した。また、韓国もグリーン・ニュー・ディール政策の推進を表明しており、両国の連携に期待がかかる。ほかにも、ドイツやフランス、イギリス、中国などの国が、グリーン・ニュー・ディールやそれに近い政策の導入を検討している。

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