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海野和男のデジタル昆虫記

人の見る色、虫の見る色

人の見る色、虫の見る色
2012年04月07日

 昆虫は近紫外線の反射吸収を見ることができるものが多い。
 紫外線写真に関わって、40年にもなるのだが、未だにどのようにしたら虫が見ている世界を表せるかについてはほとんどわからない。
 モンシロチョウの場合、赤が見えず、近紫外域から緑までの波長の光の反射吸収を感じることができると言われている。だからモンシロチョウが3原色で色を見ていると仮定すると、緑、青、紫外が3原色となる。
 アゲハの場合は、赤も見える。人が見るRGBに加え、紫外、紫、さらに広範囲の波長を感じる細胞があるらしい。そして色を見分けるのに赤、緑、青、紫外の4原色を使っているらしと蟻川謙太郎は実験の結果から予測されている。だからそもそも赤が見えないと言われるモンシロチョウが見ている色を人が可視化すると言うことは無理がある。何しろ我々はRGBの3原色の世界に生きているのだ。
 それでもカラー化してみたという欲求はあるから、様々な方法で可視化を試みる。
左上は赤外紫外カットフイルターを外したリコーのGXRに近紫外線透過、赤外カットのフイルターをつけて撮影したもの。
 CMOSはどうやら赤外域に感度が高く、赤外カットフイルターをつけても赤かぶりは致し方がないようだ(ぼくの使っている紫外線透過フイルターは赤外域に15%程度透過する波長域があるし、赤外カットフイルター完全には赤外を遮光していないと思う)赤外の感度がそもそも高いからチャンネル分解をしてみると赤チャンネルが一番明るいように思う。
 左下は赤チャンネルを破棄した画像。右上は赤チャンネルを紫外チャンネルに置き換えたもの。これははじめて試みたもの。
 右下は赤チャンネルに緑チャンネルを、緑チャンネルに青チャンネルを、青チャンネル紫外チャンネルを当てはめて再合成したもの。黄色いモンシロチョウの本でチャレンジした手法だ。
 さてモンシロチョウはどんな風に色を見ているのだろう

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