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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」32 テントウムシの冬越し

連載「日本昆虫記」32 テントウムシの冬越し
2010年05月06日

 秋遅くの良く晴れた日に電柱のまわりをたくさんのテントウムシが飛んでいるのを見ることがあります。テントウムシが集団で飛んでいるのはたいていは山あいの谷間で、谷に沿って一定の方向に群れで飛んでいきます。ぼくの活動している長野県では初霜が降りるころの10月の下旬から11月の中旬が集団飛翔の見られる時期ですが、もっと暖かな地域では12月に入っても見ることができます。
もう8年も前のことです。前日の雨が上がり嘘のような青空が広がった日、小さな虫がたくさん飛んでいるのを見つけました。よく見るとそれは全てテントウムシだったのです。
 とある谷に入ると、その数はますます増えていきました。ある場所を境にして、それまで谷の下部から上部へ飛んでいたのが上から降りてくるようになったのです。そのあたりの電柱では写真のようにものすごい数のテントウムシが飛び交っていました。
 テントウムシが電柱に集まるのは冬越しをする場所を探しているのです。時には電柱に開いた穴の中で越冬することもあるようですが、この時は夕方近くなるとまたどこかへ飛んでいってしまいました。
 どこで越冬しているのかと、冬になってから探してみると、崖の岩の間や、コンクリートでできた小屋の扉の下などで身を寄せ合うようにして冬を越しているところを見つけることができました。それから毎年テントウムシの集団飛行を観察していますが、あんなにたくさんのテントウムシがいったいどこから飛んでくるのか、未だにわかりません。

上は電柱のまわりを飛び交っているナミテントウ。雨が降った翌日、良く晴れて暖かな日に見られることが多い。下はナミテントウは集団で冬を越す。

小諸日記は10周年。過去の日記は5年前5月   10年前5月

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