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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」30 コマダラウスバカゲロウの幼虫

連載「日本昆虫記」30 コマダラウスバカゲロウの幼虫
2010年05月04日

 苔の生えた岩を何かいないかなと眺めていた時のことです。岩の上を歩いていた小さなハチが突然何かにつかまってしまいました。よく見るとそこには苔そっくりな虫が潜んでいて、大きな大アゴでそのハチをしっかりと捕まえていたのです。
 形はウスバカゲロウの幼虫のアリジゴクにそっくりです。調べてみると、コマダラウスバカゲロウというウスバカゲロウの仲間の幼虫であることがわかりました。ウスバカゲロウの仲間は砂地などにすり鉢型の巣を作って、その中に落ちてくる昆虫を捕らえて食べるアリジゴクと呼ばれるものが普通ですが、コマダラウスバカゲロウのように巣を作らないものもいるのです。
 岩に生えた苔に、なんとよく似ているのでしょうか。じっと目をこらすと他にもたくさんの幼虫が見つかりました。近くの木に生えた苔の中にも幼虫は潜んでいました。場所によって苔の色も幼虫の色も異なります。アップで写真を撮ってみてわかったのですが、幼虫の背中には、どうやらまわりの苔が付いているようです。
 動かないでじっとしているので、苔が生えてしまったのではとも思いたくなりますが、背中に砂粒をつけた幼虫もいました。どうやらまわりの苔や砂粒などを背中に乗せてカムフラージュしているようです。敵に見つからないのはよいのですが、こんなところに隠れてじっとしていて。十分な餌が採れるのかと心配になります。成虫は6〜7月に見られますが、その時にも大きな幼虫も小さな幼虫もいるので、餌の量によって、幼虫の期間も変わるのではないかなと思います。

写真はコマダラウスバカゲロウの成虫と成虫

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