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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」28 ホウジャク

連載「日本昆虫記」28 ホウジャク
2010年05月02日

 空中に静止しながら、長い口で花の蜜を吸っている不思議な昆虫を見たことはありませんか。ものすごいスピードで花から花へと移動しながら蜜を吸います。翅を広げると6cmほどあるものが多く、胴が太いので大きなハチのようにも見えます。
 この昆虫はスズメガ科に属するホウジャクというガの仲間です。他のスズメガと違いホウジャク類は昼間に活動します。ホウジャクの仲間は日本全国に住んでいて、年に2回発生するものが多いのですが、6月頃と、9月から10月には多く見られます。翅が茶色っぽいものはホウジャクやヒメクロホウジャクなどで翅が透き通っているのはオオスカシバやスキバホウジャクです。オオスカシバは暖かな地方に住み、東京の都心などにも多く見られます。今頃は幼虫で、庭や公園のクチナシの木に大きな青虫がいたら、それはオオスカシバの幼虫です。
 ホウジャクは漢字で書くと蜂雀です。蜂雀はハチスズメとも読むことができます。ハチスズメと読むと、これは南米に住むハチドリのことになります。ハチドリもホウジャクと同じように空中で静止飛行をしながら花の蜜を吸う鳥です。ホウジャクを見て、ハチドリだと思う人もいるようです。蜜を吸う様子が似ているだけでなく、漢字でも同じように書くので間違えられるのではと思います。ホウジャクもハチドリも翅を上下に羽ばたかすと同時に八の字を書くように前後にも動かし、空中に静止することができるのです。
ヒャクニチソウの花の蜜を吸っているホウジャク。空中に静止しながら次々と花を訪れる。下はオオスカシバ。東京では5月末から6月と8月末から9月に多く見られる

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