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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」27 カマキリ 命がけの結婚

連載「日本昆虫記」27 カマキリ 命がけの結婚
2010年05月01日

 日本には9種のカマキリが住んでいます。身近で普通に見られるカマキリはオオカマキリ、チョウセンカマキリ、コカマキリ、ハラビロカマキリの4種です。北海道ではこのうちオオカマキリだけが見られます。オオカマキリとチョウセンカマキリはとてもよく似ています。怒ったときにみえる後翅が褐色なのがオオカマキリ、薄い黄色なのがチョウセンカマキリです。オオカマキリは林の近くの草地に多く、チョウセンカマキリは田んぼや河原などの開けた場所で多く見られます。ハラビロカマキリは愛嬌のある顔をした小型のカマキリで、木の上に住んでいます。
 カマキリは他の昆虫を食べる肉食の昆虫で、交尾しようと近づいたオスが食べられてしまうこともあります。メスの方が大きく体格がよいので、オスにとって結婚は命がけのようです。
 ハラビロカマキリでは交尾しようと近づいたオスは、ほとんどが食べられてしまうと言う話しもあります。オオカマキリでも時々頭のないオスがメスと交尾しているのを見ることがあります。昨年、オオカマキリの交尾をビデオで撮影しようと、別々に飼育していたオスとメスをベランダに放してみました。しばらくにらみ合っていたのですが、突然、オスは正面からメスに飛びかかりました。その瞬間、メスの鎌が振り下ろされ、哀れなオスはメスに捕らえられてしまいました。頭を囓られながらもオスは必死で交尾を試みます。そして何と交尾に成功したのです。これにはぼくもびっくりしました。頭を囓られてもオスはしばらく生きているので交尾はうまくいったようです。

危険を感じると翅を広げて威嚇の姿勢をとる。体を大きく見せて敵を追い払おうとしているのだ。下は交尾したメスに食べられてしまったオス。

小諸日記は10周年。過去の日記は5年前5月   10年前5月

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