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海野和男のデジタル昆虫記

突然変異と擬態(連載擬態31)

突然変異と擬態(連載擬態31)
2008年10月10日

 突然変異でできた新しい型が生き残るのは、その突然変異グループは以前のタイプより生存に格段に有利な場合である。そんな場合はかなり短期間に前のタイプと入れ替わってしまうに違いない。
 すると捕食者とその昆虫の間で、前に述べたような競争が起こり、その昆虫の子孫はより見事なカムフラージュの方向に進化して行かざるをえないであろう。その点では自然選択説はある意味では正しいことは間違いないだろう。しかし形の変化は徐々にではなく、比較的短期間に完成した形となると筆者は考える。そしてその進化はどの昆虫にも起こるのではない。むしろ起こらなければ生存に問題のある種に特異的にそのような進化が起こると考える。
 それにしてもコノハムシは葉になんとよく似ていることなのだろうか。どうやってそんなによく似てしまったのかと聞きたくなる。そこまでやって何の利益があるのだろうか。もう少し葉に似ていなくても、すばやく動けた方がよいのではないのだろうか。この地球上に、そうした昆虫たちがたくさんいること自体がすばらしいことだとぼくは思う。そしてよくぞここまで似たものだという職人芸的な生き物の形態に驚き、そうした生き物たちをはぐくんできた地球はなんとすばらしいのだろうかと思うのである。(完)



「昆虫たちの擬態」  昆虫擬態の観察日記  花になったカマキリ

◎10月12日までマダガスカル取材中のため、今月は特集昆虫の擬態を連載形式でおおくりします。マダガスカルからの更新は恐らく不可能と思われますがチャレンジはしてみますのでお楽しみに。マダガスカル昆虫記は10月以降に特集したいと思います。

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