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海野和男のデジタル昆虫記

自然選択説と擬態(連載擬態30)

自然選択説と擬態(連載擬態30)
2008年10月09日

 自然選択説だけで説明すると、全てがより見事なカムフラージュに進化し、ただの緑色の昆虫はいなくなってしまうことになる。それでは、ただの緑色の昆虫というのはもっと隠れる効果のある形に進化していく途中の形態なのだろうか。おそらくそんなことはないであろう。実際にはただの緑色の虫だってたくさんいる。いやむしろその方が多い。形まで似ているものというのはそんなに多くはないのである。偶然に、ある緑色の昆虫の中に突然変異で葉のような形の昆虫が出現したとする。もし生殖能力も、運動能力も同じだとすると、その昆虫は大多数の今までの仲間と形が異なるわけだから、仲間の間での認知に不利が生ずることになる。だから、その形が今までのタイプより補食されにくいなど、生存に有利な形質でなければ、その突然変異をした昆虫は生き残れないはずだ。
写真は木の芽によく似たペルーのカメムシ


「昆虫たちの擬態」  昆虫擬態の観察日記  花になったカマキリ

◎10月12日までマダガスカル取材中のため、今月は特集昆虫の擬態を連載形式でおおくりします。マダガスカルからの更新は恐らく不可能と思われますがチャレンジはしてみますのでお楽しみに。マダガスカル昆虫記は10月以降に特集したいと思います。

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