キャンプが一般化した今、「ソロキャンプ」に挑戦してみたいけど、なかなか最初の一歩を踏み出せない…という女性も少なくないのでは?女性ひとりでのキャンプは不安要素も多く、ハードルが高いかもしれない。しかしながら、ソロキャンプで必要なものや防犯の対策、そして大切な心得を知っておけば、誰でも自分らしく楽しめるのがソロキャンプの魅力のひとつとも言えるだろう。
今回、そんな女性のソロキャンプにおける不安を解消するべく協力してくれたのは、自身も関東を拠点に全国各地へと出かけるキャンプ女子でありながら、女性のためのアウトドアWebメディア「なちゅガール」編集長も務める森風美(もり ふうみ)さん。“キャンプ歴=年齢”という、なんとも心強い森さんに、ガチキャンプ初心者の女性ライターが質問・疑問を投げかけてみた!
■ソロキャンプの魅力&心得とは?
この記事を読んでいる人なら、すでにソロキャンプに興味を持っている人が多いと思うが、改めてその魅力を風美さんに聞いてみたところ「自由に過ごせ、そして強くなれる」との答えが返ってきた。
「もちろん普段とは違う自然の中で過ごすという非日常感もありますが、ソロキャンプの場合はその非日常をひとりで乗り越えることで、日常生活での自信につながると思います。また、ひとりだからこそ、自分の趣味に合わせてカスタマイズできるのもソロキャンプの魅力です」(風美さん)
たとえばキャンプ道具をそろえて、ある程度経験を積んでおけば、万が一の災害時などでも役立つことがある。また、「自分ひとりでもできるんだ」というソロキャンプでの成功体験が、自己肯定感をも高めてくれるのだそう。そしてなにより、グループキャンプなどにはない魅力が、“何でも自分の好きなよう気ままにできる”こと。料理や食事をする場所、スケジュールも自由自在に決めることができる。ソロキャンプはそんな贅沢な時間を過ごせるキャンプでもあるのだ。
■初めてのソロキャンプに必要なのは“勇気”!
とはいえ、やはり初心者にとってはハードルが高いソロキャンプ。ましてや女性ひとりとなれば、さらに不安要素も多い。年間80泊以上キャンプをする風美さんいわく、ソロキャンプ初心者は「勇気は必要!思い切りも大事!」とのこと。それと同時に、不安や疑問をクリアにして臨むことが大切だと教えてくれた。
「グループキャンプとソロキャンプは、全くの別物です。また、ある程度キャンプの経験値も求められます。まずはグループキャンプの横での疑似ソロキャンプや、庭キャンプ、日帰りのデイキャンプなどから始めてみるのがいいかもしれません。ソロの仲間で集まって、食事などはグループで楽しみつつ、寝るときはソロという“いいとこ取り”のソログルキャンプもおすすめです」(風美さん)
ここからはソロキャンプ初心者が抱きがちな疑問や不安を少しでも減らせるよう、そろえておくといい道具をはじめ、防犯のアイデアや対策、おすすめキャンプコーデ、キャンプ飯、そして女子ソロキャンプの始め方など、具体例を紹介していく。しっかり準備をして、初めてのソロキャンプに臨もう!
■女性のソロキャンプは危ない?対策はコレだ!
キャンプにおけるリスクとして考えられるのが、ケガや自然災害・荒天、盗難など。性別を問わないこれらのリスクに加えて、女性のソロキャンプで心配されるのが、悪質な声掛けの被害だ。女性のソロキャンプだとわかると執拗に声を掛けられたり、至近距離にテントを設営されたり、挙句、テントへ侵入されたりなどの被害に遭っている人もいる。そもそも加害者を撲滅しなければ…というのは一旦置いておいて、こういった女性ソロキャンプならではの被害に遭わないよう、事前にできる具体策はあるのだろうか?
■設営場所選びから気をつける
まず対策として重要なのが「設営場所選び」だ。ある程度、できるだけ人目につく場所を選んだり、物陰になる場所は避けたりするほうがいいだろう。ほかにも、なにかあったときにすぐ助けを求められるよう、管理棟の近くや、スマートフォンの電波が入る場所を選ぶのもおすすめ。施設側が設営場所を決めるタイプのキャンプ場などであれば、予約の時点で女性のソロキャンプである旨を伝えておくと、比較的安全な場所を用意してくれることもあるという。
「管理棟の近くが一番安全な場所だと思いますが、“せっかくのソロキャンプなのに人が多い”というのも雰囲気が壊れてしまうので、このあたりは好みです」(風美さん)
人通りが多すぎる場所で、ソロ感が台無しになるのはもったいない。そんなときはテントやタープを設営する向き、サイトのレイアウトなどを工夫して対策してみよう。
■防犯グッズで対策
最も有効な対策は、やはり防犯グッズ。テントには鍵が付いていないため、南京錠やカラビナを用意して、出入口のファスナーに内側からかけておけば簡易的な施錠ができる。男性ものの靴などをテントの外に置いておくものいいだろう。また、防犯ブザーを枕元に置いておくのも、いざというときの対策になる。
「対策の度合いは、自分がどこまで備えておけば安心して眠れるかが重要です。キャンプで使う刃物を枕元に置いておく…というのはちょっとやりすぎかもしれませんが、もしそれで自分が安眠できるというならOK。それでも不安であれば、いっそのこと車の中で寝たり、コテージやバンガロー泊に切り替えたりするのもいいでしょう」(風美さん)
■自衛する心がけを
そのほかの対策として、キャンプしていることをリアルタイムでSNSに投稿しない、というのもある。せっかくのソロキャンプ、発信したくなる気持ちはわかるが、リアルタイムで「○○でソロキャンプ中!」などと投稿すると、自分がひとりだというアピールにもなってしまい、狙われやすくなる。SNSなどへの投稿は、キャンプを終えてからにしよう。
また、不慣れ感を出しすぎるのもよくない。ソロのときは、困ったからといって気軽に近くのキャンパーに声を掛けたり、必要以上にほかのキャンパーと仲良くなりすぎたりすると、しつこく声を掛けられるリスクもある。当日になるべく困らないためにも、ソロキャンプの準備はしっかりとしておくことが大切だ。
「ソロキャンプだと、夜中のちょっとした物音にビックリすることも。実際、ネコやタヌキの足音なんかも怖かったです。あとは、ソロキャンプではお酒を飲み過ぎないということも大事ですね」(風美さん)
女性のソロキャンプでは、飲み過ぎないことも自衛のひとつだ。心得ておこう。
■必需品からおしゃれアイテムまで!ソロキャンプであるといいもの
ソロキャンプで必要なキャンプギアのほとんどは、通常のキャンプとほぼ同じ。テントやテーブル、イス、マット、シュラフ(寝袋)、ランタン、ガスバーナー、焚き火台などがその例だ。このようなキャンプギアを持っていないのであれば、メーカーが販売するスターターキットなどのキャンプ初心者用セットでそろえるのが手っ取り早いだろう。
また、全部の道具をそろえると費用が…という人は、手ぶらでソロキャンプできるキャンプ場を探してみるといい。もしくは、キャンプギアのレンタルという手もある。気になっているキャンプギアがあれば、購入を前提に一旦レンタルで使ってみるのもいいだろう。ただし、レンタルを予約しておくと、例え天候が悪そうでも「レンタルしたから行かなきゃ…」ということにもなりがちなので、そのあたりは冷静に判断できるようにしておこう。
では、女性だからこそそろえておくとよい持ち物は、どんなものがあるだろう。こちらも風美さんに教えてもらった。
■キャンプ女子の必需品は?
まず最低限必要な持ち物は、外泊をする場合と変わらない。着替えやアメニティセット、タオル、ヘアケア用品、メイク道具、常備薬などだ。ここで特に注意しておきたいのが、メイク落とし。冬場でも水道からお湯が出ない、というキャンプ場も少なくないので、洗顔の必要がないシートタイプのメイク落としがあると便利だ。
また、焚き火をする場合は想像以上に肌が乾燥するので、保湿グッズも大切。普段使いの化粧水や乳液よりも高保湿のタイプを選んだり、小分けのシートパックを持参したりするものおすすめだ。
「秋冬に忘れがちなのが、日焼け止めですね。キャンプ中は普段よりも日焼けするので、夏以外も紫外線対策は重要です。普段使いの日焼け止めより紫外線カット効果が強いものを、こまめに塗り直すことも大切です!」(風美さん)
■お気に入りのギアで気分を上げよう!
レンタルなどを通して試してみるのもひとつの方法だが、お気に入りのキャンプギアを自分の好きなようにそろえられるのもソロキャンプの魅力だ。ひと通り道具をそろえたら、必要に応じて買い足したり、アップグレードさせたりして楽しもう。ひとつのカバンに入るようコンパクトなアイテムを装備してみたり、できるだけ荷物を減らした“ミニマリスト”スタイルのキャンプに挑戦してみたりするのもいいだろう。
風美さんいわく、ゴミ箱を用意するのもテンションを上げる方法のひとつだという。もちろん、レジ袋などで代用してもいいのだが、どうしても見た目に生活感が出てしまう。そこでゴミ箱専用ギアや、100円ショップなどで購入できるランドリーバッグ等を使うと目隠しになり、気分が上がるそうだ。ゴミの管理や処理は動物避けにも重要なので、口が閉じられて、夜間はテントや車の中にしまっておけるものを選ぼう。
また、最近はキャンプ女子向けデザインのキャンプギアも豊富で、そのかわいらしさからキャンプを始める女性も多いそうだ。
「私がソロキャンプを始めたキッカケは、かわいいテントを見つけたことでした。かわいく飾り付けしすぎたりすると、執拗な声掛けなどのリスクは上がりますが、やっぱりかわいいキャンプギアはテンションが上がりますからね」(風美さん)
■キャンプ女子のファッションコーデ
キャンプ女子に欠かせないのが、やはりファッション!最近では機能性を重視しつつ、かわいさも兼ね備えたアウトドア向けファッションアイテムがたくさんある。どんな格好でソロキャンプに臨むかは、それぞれのキャンプスタイルによっても異なるため、キャンプコーデを考えるのはワクワクする要素だろう。まずは、キャンプ時のファッションで注意したい点を教えてもらった。
■キャンプコーデの注意点
「まず注意したいのが、虫刺されと日焼けです。なるべく肌は露出しないよう、たとえばショートパンツの下にレギンスを履くなどの工夫をしましょう。また、足元もサンダルだけはNGです。テントなどに出入りすることも多いので、靴は脱ぎ履きしやすいスリッポンがおすすめです」(風美さん)
過度に肌を露出しすぎないという点に加えて、脱ぎ着しやすいことも重要だ。山の天気は変わりやすく、日中と夜間では気温差が大きい場合もある。重ね着で調整しやすい格好にしておけば、快適に過ごせるだろう。汚れても大丈夫か、また、汚れが落としやすいかなども考慮しながらコーティネートを考えよう。
一方、就寝時はどのような格好をしたらいいのだろうか。いかにもパジャマ(寝巻、寝間着)のような服装だと、トイレや管理棟などへ行って人と会ったときに、ちょっと恥ずかしい思いをするかもしれない。コンビニに行けるぐらいの服装にしておくのがベスト!寒い時期なら、靴下やダウンソックスを履いて寝ると、暖かく過ごせるのでおすすめだ。
■季節別キャンプ女子コーデ
では、実際にどんな服装がおすすめなのか、風美さんに話してもらった。
「春先から夏は気温が変わりやすいので、暑いときは簡単に脱げて、寒いときは簡単に着られるのコーデにするのが大切ですね。たとえばTシャツワンピースにショートパンツ、レギンス。レイヤーできるよう薄手のカーディガンやパーカーを用意しておくとよさそう!ただ、ウール系を選ぶと花粉が多く付くので避けたほうが無難です。キャンプ用のオーバーオールなどもいいですね」(風美さん)
アウトドア専用のアイテムでなくても、とにかく脱ぎ着しやすいコーデであるのが重要だということ。オーバーオールならポケットもたくさんあって、便利そうだ。
また、冬キャンプのコーデのポイントは「とにかくウール系のインナーを!」とのことだ。吸湿発熱系の化学繊維を使用したインナーは、座っていることが多いキャンプとの相性が実はよくない。アウトドア専門店で販売しているような、メリノウール系の薄手のインナー(ベースレイヤーとも呼ばれる)がおすすめ。ただ、最近ではユニクロやワークマンといった量販店でも、ウールやメリノウール配合といったインナーを販売しているので、そちらで代用してもいいだろう。キャンプだけでなく寒い日の普段着にも使えるので、これを機に1枚買ってみるのもいいかもしれない。
■風美さんおすすめのキャンプ向けファッションアイテム
キャンプ女子・風美さんが、使いやすくておしゃれだとおすすめしてくれたファッションアイテムが「巻きスカート(ラップスカート)」だ。巻きスカートは寒いときにズボンの上からでもサッと履きやすく、またブランケットやケープのように使うこともできる。難燃素材なら、焚き火の火の粉避けとしても活躍してくれる。
「私が実際に使っているのが、登山メーカー『MILLET』の巻きスカートです。また、難燃性の生地を使った『GRIP SWANY』や『KRIFF MAYER』などの巻きスカートもいいですよ」(風美さん)
焚き火やバーベキューをするキャンプでは、巻きスカートの中でも難燃素材のほうが重宝しそうだ。風美さんおすすめのファッションアイテム、ぜひ参考にしてほしい。
■何をする?女性のソロキャンプの過ごし方
ソロキャンプは前述した通り、何でも好きなように過ごせるのが魅力。でもいざ自然の中にひとり…となると、何をすればいいのか迷う人もいるかもしれない。ここではソロキャンプならではの過ごし方を紹介する。
■とにかく趣味!贅沢な時間を過ごそう
家でできる趣味だとしても、自然の中ですれば普段とは違った時間が過ごせるはず。たとえば、ずっと読みたかった本を読んでみたり、コーヒーや地酒を飲んだりしてもいい。自然を満喫したいなら、キャンプ場にとどまらず、山登りや自然散策、釣りなどをしながら写真を撮ってみるのも楽しい。近くの観光スポットへ足を伸ばしてみるのもいいだろう。
「私は以前、攻略したいゲームがあったので、ゲーム機を持ち込んだことがあります。多少天気が悪くてもゲームならできるので。もちろん家でもできるんですが、ひとりで長時間集中できる贅沢な時間を設けられるのも、ソロキャンプならではですからね」(風美さん)
■やっぱりキャンプ飯は外せない
キャンプの楽しみのひとつといえば、キャンプ飯。ひとりで作るからグループキャンプよりも大変さは増すかもしれないが、その分、自分の好きなものを作れる。もちろん、作らないという選択もアリ。好きな総菜を買い込んだり、コンビニで買って来たりしてもいい。屋外という非日常空間で食べるだけで、それは立派なキャンプ飯なのだ。
でも、ちょっとは料理したい!という人向けに、おすすめの料理をいくつか紹介してもらった。
「私がよく作るのはパスタです。ほぼメスティンひとつで調理できるので楽ですよ。あとはカオマンガイなんかもメスティンで作れますね」(風美さん)
ほかに、事前に食材をカットしておけば当日はチーズを溶かすだけと簡単なチーズフォンデュ、冬場はカセットコンロを持ち込んで鍋をするものおすすめだとか。
「ソロキャンプだから、自分の好きなように食事をすればOK。ひとりだから、家ではできない実験的な料理をして、失敗してしまっても全然大丈夫!それもまた素敵な思い出になりますよ(笑)」(風美さん)
ソロキャンプでのキャンプ飯は、あまりこだわりすぎず、自由に用意すれば雰囲気だけで十分に楽しめそうだ。
■車中泊はアリ?交通手段とそれぞれの魅力
自家用車を持っていれば、ソロキャンプでの車中泊も可能だろう。近年では車中泊用に軽バンやハイエースといった居住性の高い自動車を買う人も増えてきており、特にスズキ ジムニーを愛する「ジムニー女子」も急増している。車中泊キャンプのいいところは、テントの設営が不要で時間に余裕が持てること。悪天候時でもOKで防犯面でも安心なうえ、目的地が遠い場合は途中で宿泊することも可能だ。
「私もよく車中泊するのですが、ポイントはキャンプ用マットなどを敷いて車内の段差をなくすことです。また、意外と見落としがちなのが、寝るときにフラットでなければ頭を高くすること。これをしておかないと、起きたときに気持ち悪くなったりします。さらに、シェードや車用カーテンで外からの目線を遮ることも大切ですね」(風美さん)
かといって、必ずしもキャンプに自動車がいるわけではない。確かに自動車は荷物の移動に関しては非常に便利だが、自動車では行けない場所もある。たとえば“離島”。飛行機を利用して離島でキャンプすれば、観光も同時に楽しめ、リゾート感も味わえる。また、電車なら渋滞などの心配がないので到着時間の予想も立てやすく、交通費も抑えられるのでおすすめ。
ただし、飛行機や電車、自転車、バイクでの移動を前提としたソロキャンプは、装備の工夫が必要だ。リュックサックやキャリーケースにすべての道具を詰め込まなければならないので、いかにコンパクトにするか、ギアを厳選することになるだろう。それもまたソロキャンプの楽しみ方だ。
■ソロキャンプ女子向け!キャンプ場の選び方ガイド
女性のソロキャンプ対策を心得たら、いよいよキャンプ場選び。キャンプ場の選び方にも、ポイントがいくつかある。順番に見ていこう。
■管理人や警備員が常駐するキャンプ場
管理人や警備員が24時間常駐しているキャンプ場は、もし何かあったときでも助けてもらえるので安心だ。キャンプ場によっては、定期的に見回りをしているところもある。また、夜間は外部から人が入れないよう、出入口を施錠しているキャンプ場もあるので、公式サイトなどで確認しよう。管理人が女性だと、困ったことも相談しやすく、女性が気になる細かなところまで配慮が行き届いていることが多いので、そういったところを選ぶのもいい。
■高規格キャンプ場
「高規格キャンプ場」と呼ばれるところは、男女別のトイレやシャワー、AC電源、コインランドリーといった敷地内の設備や、レンタル品が充実しているので、女性ひとりでも利用しやすい。なかにはソロキャンプ専用の区画を設けているところもある。また、区画がしっかりと仕切られ、自分用のスペースが明確になっているキャンプサイトなら、必要以上に近づいてくる人がいたら遠慮なく報告して対処が可能だ。費用的な面でいえば少々高くなってはしまうが、格安のキャンプ場を利用するより治安がよい傾向にある。
「高規格キャンプ場は、水回りが綺麗なのもうれしいですね。なかにはパウダールームを備えているキャンプ場もあるので、メイクする際は助かりますよ」(風美さん)
■事前に電話&口コミを参考に
ソロキャンパー歓迎のキャンプ場であれば、事前に電話などで相談に乗ってくれることも多い。「女性のソロキャンプです」と伝えれば、おすすめの区画などを紹介してくれるだろう。また、忙しい時期・時間帯でなければ、敷地内を見学させてもらえることもあるので、確認してみよう。そして、やはり参考になるのはインターネット上にある口コミ。「危ない目に遭った」や、「対応が不十分だった」というような口コミがあるキャンプ場に行く場合は、よく考えたほうがよさそうだ。
「キャンプ場の選び方のポイントとして、初めは自宅の近くにしておくというのもおすすめです。何かあったり、怖い目に遭ったりしても、すぐに帰宅できるので安心です。もうひとつ大事なのが、ソロキャンプに行くことを誰かに伝えておくことです。利用するキャンプ場や帰宅予定などを伝えておけば早めに対処ができるので、これも安全対策になります」(風美さん)
■いよいよソロキャンプへ!流れを確認
キャンプ場の選び方もわかったところで、いよいよソロキャンプに挑戦してみよう。キャンプに行く前には、風美さんいわく「妄想が大事」とのこと。流れをイメージして、デモンストレーションしておこう。
■キャンプ前日までに
最初にやることはキャンプ場の予約。前述の「キャンプ場の選び方」を参考に、Webや電話で予約しよう。人気のキャンプ場は3~4カ月ほど前から予約を開始する場合も。行きたいキャンプ場を見つけたら早めに予約しておこう。ただし、悪天候が予想されるときには、迷わずキャンセルを。キャンプの場合、特に暴風には弱いので、気温と天気だけでなく、風の予報もチェックしておこう。
キャンプ飯を作る場合には、可能なら前日までに食材の準備をしておくといい。当日の買い出しでは、足りないものが出てきたり、下ごしらえに時間がかかったりするからだ。食材をカットしたり、個別にラップに包んでおいたりすると料理がしやすくなるだろう。準備が整ったら、出発に向けて早めに寝るように心掛けよう。
「あとは前日にしっかり睡眠をとること!当日、慣れない環境で眠れなかったというときでも、前日しっかり寝ていれば少しは安心です」(風美さん)
■キャンプ当日
当日は時間に余裕をもって出発して、キャンプ場のチェックイン時間内に到着できるようにしよう。万が一遅れてしまう場合には、わかった時点でキャンプ場に連絡を。チェックインを済ませて注意事項を聞いたら、いよいよテントを設営する。初心者は間違いなくここで時間が取られるので、昼食はキャンプ場に到着する前などに済ませておいたほうがいいだろう。テント設営後は自由時間!思い思いの趣味の時間を過ごそう。
■撤収日
撤収日の起床後は片付けがメイン。先に小物類を片付けておいてから朝食をとれば、チェックアウト時間ギリギリでバタつかなくて済むことが多い。さらに、朝食はホットサンドなど簡単なものにしておくといい。早起きしてコーヒーを飲みながら、朝の時間を楽しむのもおすすめ。ただし周囲の人がまだ寝ている可能性もあるので、できるだけ静かに楽しもう。
■キャンプから帰宅後
キャンプから帰ってきたあとも、意外とやることはたくさんある。片付けの時間も考慮して撤収日の予定を組んでおいたほうがよさそうだ。テントなどが濡れてしまった場合は、長期間放置するとカビが生えたり劣化したりする恐れがあるので、天気と相談しながらできるだけ早めに干して、しっかり乾燥させておこう。
■ソロキャンプを始める女性へアドバイス
ここまで読んだ人なら、ソロキャンプの対策とイメージはバッチリだろう。それでもまだ迷っている人へ、キャンプ女子・森風美さんからアドバイスを。
「不安なら予行演習をしておけばいい!ということで、部屋で道具を広げてみたり、実際に道具を使ってみたり…ベランダでのベランピングや庭キャンプ、デイキャンプをすることから始めてみてください。キャンプギアも必要に応じて、徐々にそろえていけば大丈夫。好みに合わせて、かわいい、無骨、ミニマリストなど、あなただけのキャンプスタイルを見つけてください。孤独や不安を乗り越えた達成感はすごいですよ!ソロキャンプを通して、自己肯定感を上げていきましょう!」(風美さん)
この記事を参考に、しっかりと準備・練習・デモンストレーションをしておけば、きっと安心してソロキャンプに臨めるはず。せっかくの女子ソロキャンプ、思いっきり楽しめるように“妄想”しておこう!
【森風美さんプロフィール】
幼少の頃からアウトドア好きな家族の影響でキャンパーとして育ち、キャンプ歴は年齢=27年。車中泊やキャンプなど誰でも楽しめるアウトドアスタイルを発信している。女子キャンパーのライフスタイルモデルとしてはもとより、テレビ・雑誌・イベント出演など幅広い分野で活動中。著書に「はじめよう!ソロキャンプ」(山と渓谷社)、「はじめての“ぷち”キャンプ」(飛島新社)がある。
Instagram:@fu_u.m
X:@fu_uyu
YouTube:もりふうみチャンネル
取材・文=民田瑞歩
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