東京湾で一本釣りした鮮魚を提供する「釣人酒場ぷくぷく」(調布市菊野台1、TEL 042-457-0804)が4月18日、柴崎駅近くの深大寺通り商店会にオープンした。(調布経済新聞)
「釣人酒場ぷくぷく」の近美雪さん
釣り仲間で釣り歴9年以上の近美雪さんと、さっちゃん(通称)が共同経営する同店。フグ釣りを得意とし、「東京湾フグ会」副会長を務める近さんは数々の釣り大会で入賞経験を持ち、フグ好きが高じて2年前に「ふぐ取扱責任者免許」を取得。過去に最大34キロのキハダマグロを釣り上げたさっちゃんは、働いていたバーで釣った魚を自らさばいて提供していた料理が評判を呼び、「東京湾で釣れる魚のおいしさをもっと広めたい」と2人で同店を開いた。
東京湾で釣った魚や豊洲市場で仕入れた鮮魚を看板とする同店。2人が東京湾で釣リ上げるアジは、黄金色に輝く体色の「黄金アジ」と呼ばれ、内湾で豊富な餌を食べ回遊せずに育つため、一般的な回遊型のアジに比べて脂の乗りがよく、「高級魚として人気がある」という。一年を通して、トラフグ、ショウサイフグ、ヒガンフグなど季節ごとに種類の違う天然フグが釣れるほか、太刀魚やイカなど「東京湾は新鮮な魚の宝庫」だと話す。
釣魚の味を引き出す「塩」は、シイタケや昆布、貝柱のうまみが入った「ろく助」や「ふぐだし塩」、塩を桜のチップで燻製(くんせい)にした「桜塩」などを用意。魚本来の味を楽しんでもらいたいと、刺し身は塩で食べることを勧めている。
店舗面積は約11坪。カウンター7席とテーブル2卓8席を用意。店内は木目調の落ち着いた雰囲気に仕上げ、今後は天井に釣りざおをつるし、漁船をイメージした内装にしていくという。
その日の仕入れに応じてメニューや価格を決め、「黄金鯵(アジ)刺し」(900円)、「3種盛り刺し」(1,300円)、「5種盛り刺し」(1,800円)、「天然トラフグ白子ポン」(1人前2,300円)のほか、「サーモンしし唐」「ブリねぎま」(以上350円)などの串焼きを提供(刺し盛りの構成や仕入れ状況により値段は変動)。米は契約農家直送のコシヒカリを用意する。アルコールは、魚に合わせて選んだ「赤武」(岩手)、「醸し人九平次」(愛知)、「にいだしぜんしゅ」(福島)などの日本酒を取りそろえる。
2人は「釣り魚は釣られた時に魚にかかるストレスが少ないため、味が抜群に違う。東京でこんなにおいしい魚が食べられる『魚で楽しめる店』として、地域の方にはもちろん、遠方からわざわざ来てもらえるような店になれれば」と話す。
営業時間は18時~23時。火曜・水曜定休。