冬。筆者自身、この季節が嫌いです。なぜならば大変な寒がりということもありますが、それ以上に多くの植物とのコミュニケーションが図れなくなるからです。
そうです。ほとんどの植物にとって冬は「休眠期」。春が来るまであまり変化を感じられないため寂しいのです…。
そんな休眠期を前に、大切な多肉植物をどのように管理すれば良いのかご紹介します。
…と思ったのですが、正直「5℃になったら水やりを控える」など言われても、しょっちゅう温度計を気にしながら生活できるほど、現代人は暇ではありませんよね。
なので今回は、僕が個人的に行っている身近な植物に合わせた管理方法をご紹介します。
※筆者の住む関東地方を基に記していきます。地域によって大きな差が発生するため、ご自身の環境に合わせてご参考ください。
10月の中旬から徐々に気温が下がり、イチョウなどの樹木の葉も色が変化していく頃。多肉植物は徐々に水やりの回数を減らしていきます。
メセンなどの冬型の多肉植物は、徐々に葉に勢いが増していきます。土の乾き具合を見ながら徐々に水やりを増やしていきます。
この頃から、我が多肉棚も簡易パイプ温室にビニルを掛け、越冬準備をはじめます。
街路樹のモミジが赤くなり、葉を落とすころには多くの多肉植物は断水をはじめます。夏型のコーデックスなど、寒さに弱い多肉植物は室内の日光が当たる暖かい場所へ避難。
他の植物もほとんどが寒さが直接当たらない温室の中などへ移動させます。
園芸店にポインセチアやシクラメンが出回る頃には、ほとんどの多肉植物は完全断水。一切水を与えません。
例外として、冬型の植物には水を与えますが、それでも控えめに。さらに霜や寒さに直接当たらない場所へ移動させます。
ちなみにポインセチアは寒さに弱い植物。季節柄冬に出回わるので「外においても大丈夫かしら?」と寒風に晒して衰弱する事故は少なくありません…。ご注意ください。
年を越し、クリスマスローズが園芸界隈で話題になる頃がいちばん寒い。この頃は筆者の場合冬型の植物も断水し、ほとんど簡易温室に植物を閉じ込めておきます。
最近は高気密住宅が増えているため、急激な温度変化がない代わりに、湿度が低い場合があります。室内で保管している際は湿度が50%を切らないように管理し、夜間は段ボールや新聞紙などで包んでおくと保湿性が保たれます。
ちなみに戸外にある温室の容量が足りなくなった場合、ホームセンターの育苗箱とそれにつけることができる透明のフタを買ってきて、応急処置的に保管しています。
温室よりも保温性が低いので、この中に入れるのは完全断水+寒さに比較的強い植物。これでなんとか越冬させています…。
早咲きの桜が咲き、いよいよ春が到来!という季節…なのですが、まだまだ寒い。はやる気持ちを抑えて、もう少し温室の中で様子をみましょう。
比較的暖かい日は、ベンケイソウ科の植物など春秋型の植物に水をあげはじめます(2週に1度くらい)。もちろん、寒さに弱い夏型の植物はまだまだ完全断水です。
ただし、この季節で一番怖いのは、よく晴れた日に鉢の中の水が蒸発して、温室の中が蒸し風呂状態になること。しかもこの環境下にはどの多肉植物もかなり弱いのです。
そのため我が多肉棚では、菜の花が咲き終わる頃、寒さに比較的強い植物を温室から出して、徐々に外の気温に慣れさせています。そうすることで、日差しが強くても蒸すことがなく、失敗も減りました。
ソメイヨシノを愉しみ、チューリップが咲き終わるまでには、春秋型の多肉植物が動き出し、水やりの回数も通常回数に戻し始めます。
春のワクワク感に伴い、GreenSnapに投稿するのが徐々に楽しくなっていきます(笑)。
そして、花屋の店頭などで「母の日ギフト」が多く売り買いされる頃、夏型コーデックスなどの植物を温室から出してきます。
夏型のコーデックスなどが順調に葉が芽吹いてきたら、ここではじめて水を与えます。この時点でやっと冬越しが終わった…というところでしょうか(^^;)。
こんな感じで、自分の身近な自然の変化にも目を向けていると、着実に季節が移り替わっていることに気が付きます。
日々のニュースでは異常気象が叫ばれ、「四季はどこへ行ってしまったの」と感じることがあります。そんなときこそ周りの植物に訊ねてみると、案外、自然は正確に季節を読んでいるのです。
もちろん、地域によって四季の移り変わりも違います。ご自身の住んでいる環境と育てている植物をじっくりと観察しながら、自己責任でご参考くださいね!