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日本自然保護協会(NACS-J)の活動や自然環境保護に関する情報をお届けします。

SOS! 四国のツキノワグマ

  • 2017年8月16日
  • NACS-J

四国にクマも暮らせる豊かな森がある未来をつくりたい

「もしもアラスカ中にクマが1頭もいなかったら、ぼくは安心して山を歩き回ることができる。何の心配もなく野営できる。でもそうなったら、アラスカは何てつまらないところになるだろう」。クマが生息する森に入るとき、アラスカの自然を愛した写真家・星野道夫さんのこの一節を思い出します。クマが生息するという事実に価値を感じ、クマと共生する未来を選ぶことができるか、私たちは今、その岐路に立っています。

まずは現状把握から

 近年、人とクマの軋轢が報道されるようになる一方で、九州では既に絶滅し、四国では絶滅の危機にあることはあまり知られていません。NACS-Jは今年度から、四国のツキノワグマの危機的状況を解決するための取り組みを、長年クマ類の保全と調査研究、普及啓発を進めてきた日本クマネットワーク(以下、JBN)、地元で地道な調査を進めてきた四国自然史科学研究センターと協力して開始します。
 まず、今年から3年間で現状把握と普及啓発を進めます。JBNを中心に 「四国のツキノワグマを守れ! ─50年後に100頭プロジェクト─」※ として、四国のツキノワグマの生息数、分布範囲、繁殖・死亡実態を明らかにする調査や、四国における人とツキノワグマのかかわりに関する調査などを進めます。急峻な四国の奥山で約50㎞四方という広範囲を、多くの研究者・専門家・大学生がほぼ手弁当で進める計画です。NACS-Jは、このプロジェクトが十分な成果を出すための支援と、重要な生息地となっている国有林と民有林で、人工林を広葉樹林化するための取り組みを進めます。
 現在、十数頭しか確認されていない四国のツキノワグマが、50年後100頭になったとき、地元の方々の日々の暮らしの中でツキノワグマとの軋轢が起きる可能性がゼロとは言い切れません。地元行政の方々にとっては仕事が増えてしまうかもしれません。私たちは、島根県の澤田さんの事例(日本自然保護協会会報『自然保護』No.558,P16)などを参考に、こうした地元の方々の不安な思いに寄り添い、不安を解決することにも取り組みながら、ツキノワグマが安定的に生息している四国を目指したいと考えています。
 四国はツキノワグマが生息する世界で一番小さい島です。数年後、このことを地元の方々が誇らしげに語る日を目指して、四国のツキノワグマの保護を科学的に進めていきたいと思います。十分な調査を進めていくためには、8月末までに500万円が必要です。ご支援をよろしくお願いいたします。


出島さん
出島 誠一氏 日本自然保護協会 生物多様性保全室 室長

※プロジェクト推進費の一部に地球環境基金助成金を使用しています。
※日本自然保護協会の「四国ツキノワグマ保護プログラム」については以下ページよりご覧ください。
http://www.nacsj.or.jp/2017/06/4492/

出典:日本自然保護協会会報『自然保護』No.558より

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